マネースクエア マーケット情報

カナダドル:BOC会合、政策金利は据え置きへ

2023/10/25 08:24

【ポイント】
・BOC(カナダ中銀)の声明や総裁会見の内容。タカ派的かどうか
・米国の長期金利の動向
・豪CPIでRBA(豪中銀)の利上げ観測が高まるか

(欧米市場レビュー)

24日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。米国の一時、米ドル/円は149.877円、米ドル/カナダドルは1.37493カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.05825ドル、英ポンド/米ドルは1.21481ドルへと下落しました。米国の10月PMI(購買担当者景気指数)速報値が市場予想を上回ったことが、米ドルの支援材料となりました、米PMI速報値の結果は、製造業PMIが50.0、サービス部門PMIが50.9。市場予想はそれぞれ49.5と49.8でした。

(本日の相場見通し)

本日は、BOC(カナダ中銀)の政策会合があります。会合の結果は日本時間23時に発表され、その後24時からマックレムBOC総裁が会見する予定です。

カナダの9月CPI(消費者物価指数)は前年比3.8%と、上昇率はBOCのインフレ目標(2%を中心に1~3%のレンジ)を上回ったものの、8月の4.0%から鈍化。また、BOCがコアCPIとして注視するCPIのトリム値と中央値の上昇率も、8月から鈍化しました(トリム値:3.9%→3.7%へ。中央値:4.1%→3.8%へ)。これまでの利上げの効果が今後さらに出てくることも考えると、政策金利は現行の5.00%に据え置かれそうです。

BOC声明やマックレム総裁の会見にも注目です。BOCは前回9月会合で政策金利を据え置いたものの、声明で「必要なら政策金利をさらに引き上げる用意がある」と表明しました。本日の会合で政策金利が据え置かれたとしても、声明や総裁会見がタカ派的な内容と市場が受け止めれば、カナダドルが堅調に推移しそうです。カナダドル/円は上昇し、一方で米ドル/カナダドルは下落する可能性があります。

カナダのCPI(前年比)

***

米国の長期金利(10年物国債利回り)は24日に一時4.80%へと低下し、17日以来の低い水準をつける場面がありました(その後反発して、NY市場は4.82%で終了)。

米長期金利の動向にも注目です。米長期金利が低下すれば、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円には上昇圧力が加わり、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落圧力が加わる可能性があります。

***

豪州の7-9月期CPIが本日発表されます(日本時間09:30)。CPIの動向はRBA(豪中銀)の金融政策に影響を与えるため、この結果に豪ドルが反応しそうです。CPIの市場予想は、総合指数が前年比5.3%、またRBAがコア指数として注視するCPIトリム平均値は同5.0%です。CPIが市場予想を上回る結果になれば、市場で利上げ観測が高まるとともに、豪ドルが堅調に推移しそうです。

※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/NZドル、もう一段の上値追いとなるか]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ