NZのCPIを受けてNZドル軟調、豪ドル/NZドルが上昇
2023/10/17 08:48
【ポイント】
・カナダCPIでBOCの利上げ観測が強まるか
・NZのCPIは市場予想を下回る。RBNZの利上げ観測後退
(欧米市場レビュー)
16日の欧米時間の外為市場では、米ドルや円が軟調に推移。一時、ユーロ/円は157.924円、豪ドル/円は94.805円、カナダドル/円は109.944円、ユーロ/米ドルは1.05571ドル、豪ドル/米ドルは0.63398米ドルへと上昇し、米ドル/カナダドルは1.36058カナダドルへと下落しました。米国の主要株価指数が堅調に推移するなか、リスクオフ(リスク回避)の動きが後退したことが、米ドルや円の重石となりました。
(本日の相場見通し)
本日は、カナダの9月CPI(消費者物価指数)が発表されます(日本時間21:30)。この結果にカナダドルが反応しそうです。
CPIの市場予想は前年比4.0%と、上昇率は8月と同じとなり、BOC(カナダ中銀)のインフレ目標(2%を中心に1~3%のレンジ)を引き続き上回るとみられています。
マックレムBOC総裁は10月13日、「(カナダの)インフレ率は依然として高過ぎる」「基調的なインフレには下向きの勢いがほとんどみられず、(BOCは)それを懸念している」と発言。また、「今後の政策会合では、政策金利を5%に維持するか、それとも物価の安定を取り戻すために追加利上げが必要かどうかを議論する」とも述べ、追加利上げの可能性に言及しました。BOCの次回政策会合は10月25日です。
カナダのCPIが市場予想を上回る結果になれば、追加利上げ観測が高まる可能性があります。その場合にはカナダドルが堅調に推移して、カナダドル/円は上昇し、一方で米ドル/カナダドルは下落する可能性があります。
※カナダドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[カナダドル/円、110円突破となるか]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
***
本日はまた、米国の9月小売売上高が発表されます(日本時間21:30)。小売売上高の市場予想は前月比0.3%、自動車を除いた小売売上高は同0.2%です。市場予想からかい離する結果になれば、材料になりそうです。
FRB(米連邦準備制度理事会)当局者の発言機会も多くあります。ウィリアムズNY連銀総裁が討論会に参加し、ボウマンFRB理事やバーキン・リッチモンド連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が講演します。これらの当局者がFRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりを提供すれば、米ドルが反応する可能性があります。
***
日本時間午前6時45分にNZの7-9月期CPIが発表されました。CPIの結果は前年比5.6%と、上昇率はRBNZ(NZ中銀)のインフレ目標である1~3%を引き続き大きく上回ったものの、市場予想の5.9%を下回り、またRBNZが8月の金融政策報告で示した見通し(6.0%)も下振れました。
CPIの結果を受けて、市場ではRBNZの追加利上げ観測が後退。NZドルに対して下押し圧力が加わり、NZドル/円やNZドル/米ドルは下落し、豪ドル/NZドルは上昇しました。CPIの結果が市場で引き続き意識されて、NZドルには下押し圧力が加わりやすい状況が続く可能性があります。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。