米長期金利の動向に注目
2023/10/10 08:42
【ポイント】
・中東情勢が緊張する中での米長期金利の反応
・中東情勢次第ではリスクオフが強まる可能性も
・米FRB当局者は今後の金融政策について言及するか
(欧米市場レビュー)
9日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は148.435円、米ドル/カナダドルは1.35807カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.05699ドル、豪ドル/米ドルは0.64098米ドル、NZドル/米ドルは0.60219米ドルへと上昇しました。「最近の長期金利(10年物国債利回り)の上昇は、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加利上げの必要性を低下させる可能性がある」とローガン・ダラス連銀総裁が述べたことが、米ドルの重石となりました。9日の米債券市場はコロンブスデーで休場でした。
メキシコの9月CPI(消費者物価指数)が発表され、結果は総合指数が前年比4.45%、コア指数が同5.76%でした。総合指数の上昇率は市場予想の4.50%を下回ったものの(コア指数は市場予想通り)、CPIの結果に対するメキシコペソの反応は限定的でした。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向に注目です。イスラエルとハマスの大規模な衝突によって中東で緊張が高まっていることから、連休明けの米債券市場では米国債が買われて米長期金利は低下する可能性があります。米長期金利が低下すれば、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落しそうです。
中東情勢には注意が必要です。今後の状況次第ではリスクオフ(リスク回避)の動きが強まる可能性があります。リスクオフは円や米ドルの上昇要因です。
ウォラーFRB理事やボスティック・アトランタ連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の発言機会があります。ウォラー理事らがFRBの今後の金融政策について言及すれば、材料になるかもしれません。
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