ECBはハト派的利上げ、これで打ち止めか
2023/09/15 07:37
【ポイント】
・ラガルド総裁は追加利上げに含み持たすも、市場は打ち止めと判断
・スタグフレーション継続が予想され、ユーロの重石となりそう
ECBは14日の理事会で、0.25%の利上げを決定。政策金利(中銀預金金利)を4.00%としました。ラガルド総裁は「大多数が賛成した」ことを明らかにしましたが、それは逆に複数人が据え置きを支持して反対したことを示しています。
声明では、「現時点での評価では、政策金利は、十分に長い期間維持されれば、インフレが目標に回帰するのに大きく貢献する水準に達したと判断している」と表明されました。政策金利がピークに達したか、少なくともピークに接近したとの印象です。前回の声明では、「必要な限り政策金利を十分に抑制的な水準に設定する。その水準や期間は引き続きデータに基づいて決定される」でした。
ラガルド総裁は「政策金利がピークに達したかどうかは言えない」と述べ、追加利上げに含みを持たせました。ただ、市場は今回の利上げで打ち止めになる公算が大きいと判断しているようです。14日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む利上げ確率は次回10月26日の理事会で34%、年内で45%。それ以降は確率が低下し、24年6月までに6割近い確率で利下げが実施されるとみています。
ECBの経済見通し
ECBの経済見通しでは、23年、24年のGDP(成長率)が下方修正され、HICP(EU基準CPI)が上方修正されました。GDPについては、23年7-9月期が前期比0.0%、10-12月期が同0.1%と予想されており、22年10-12月期からほぼ景気停滞が続いています。高インフレのもとでスタグフレーションと呼べる状況が続くことになります。
・ラガルド総裁は追加利上げに含み持たすも、市場は打ち止めと判断
・スタグフレーション継続が予想され、ユーロの重石となりそう
ECBは14日の理事会で、0.25%の利上げを決定。政策金利(中銀預金金利)を4.00%としました。ラガルド総裁は「大多数が賛成した」ことを明らかにしましたが、それは逆に複数人が据え置きを支持して反対したことを示しています。
声明では、「現時点での評価では、政策金利は、十分に長い期間維持されれば、インフレが目標に回帰するのに大きく貢献する水準に達したと判断している」と表明されました。政策金利がピークに達したか、少なくともピークに接近したとの印象です。前回の声明では、「必要な限り政策金利を十分に抑制的な水準に設定する。その水準や期間は引き続きデータに基づいて決定される」でした。
ラガルド総裁は「政策金利がピークに達したかどうかは言えない」と述べ、追加利上げに含みを持たせました。ただ、市場は今回の利上げで打ち止めになる公算が大きいと判断しているようです。14日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む利上げ確率は次回10月26日の理事会で34%、年内で45%。それ以降は確率が低下し、24年6月までに6割近い確率で利下げが実施されるとみています。
ECBの経済見通し
ECBの経済見通しでは、23年、24年のGDP(成長率)が下方修正され、HICP(EU基準CPI)が上方修正されました。GDPについては、23年7-9月期が前期比0.0%、10-12月期が同0.1%と予想されており、22年10-12月期からほぼ景気停滞が続いています。高インフレのもとでスタグフレーションと呼べる状況が続くことになります。
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