【アップデート】碧桂園、UAWストライキ、米24年度予算
2023/09/13 07:55
【ポイント】
・碧桂園の社債の償還延期は8本中6本を投資家が承認
・UAWは3大自動車メーカーに対するストライキを視野に
・米予算交渉は難航必至で、シャットダウンの可能性あり
今週注目のイベントについて、最新の情勢をまとめておきます。
碧桂園(カントリーガーデン)の社債償還延期
中国の不動産開発大手、碧桂園(カントリーガーデン)が3年間の償還延期を求めていた8本の人民元建て社債について、6本について投資家から承認を得たとのこと。残り2本は投資家の投票期限を11日から12日に延長しており、その結果は現時点で報道されていません。
投資家から14日の繰り上げ償還を要求される可能性があった14.4億元の社債は償還延期が認められました。そのため、碧桂園の株価は12日に小幅上昇しました。それでも終値は1.07香港ドルで、8月23日の安値0.69香港ドルからは上昇しているものの、昨年末の2.67香港ドルを大きく下回ったままです(ピークは18年1月の18.23香港ドル)。
これとは別に、遠洋集団(シノオーシャン)は9日が期限だった人民元建て社債10億元の償還を1年間延期する提案が投資家に拒否されたと報告しました。デフォルト(債務不履行)までの猶予期間は90日とのこと。
中国の不動産危機については引き続き予断を許さない状況です。
UAWストライキ
UAW(全米自動車労組)と3大メーカーの労使交渉の期限が14日(現地23:59)に迫っています。両者は若干の歩み寄りを見せましたが、隔たりは依然として大きいようです。UAWは4年間40%(複利計算で46%)の賃上げ要求を同36%へと引き下げました。一方、3大メーカーの回答は4年間で9-10%(ステランティスは後に14.5%へ引き上げ)。
ストライキ突入の可能性が高まっており、UAWは組合員に対して、ピケに備えて暖房用ドラム缶や簡易トイレを用意するように伝えました。
UAWの組合員は約15万人。今回は、妥結しなかったメーカー全てにストライキを決行する意向のようです。UAWは過去に3大メーカー全てにストライキを行ったことはないとのこと。UAWの最後のストライキは19年にGMに対して行ったもので、過去50年超で最長の40日間でした。フォードに対しては76年が最後。ステランティス(旧クライスラー)に対しては85年と07年に実施されています。
米国の24年度予算交渉
今年10月1日に始まる24年度の歳出予算12本がいずれも成立していません。時間的余裕があまりないため、議会は短期の継続予算を成立させて10月1日以降も審議を継続することを視野に入れているようです。ただし、民主党と共和党が継続予算でさえ合意できなければ、シャットダウン(政府機関の一部閉鎖)が起きることになります。
予算交渉では、大幅な歳出削減を要求する下院共和党の保守強硬派(フリーダムコーカス)が重要なカギを握りそうです。マッカーシー下院議長は、保守強硬派を懐柔したうえで、予算交渉で民主党(バイデン政権)と合意できるでしょうか。
マッカーシー下院議長は、保守強硬派の圧力を受けてバイデン大統領の弾劾訴追に向けた正式な調査を指示しました。これは、バイデン大統領が次男ハンター氏の外国企業との取引で自ら利益を得ていたとの疑惑に関するもの。弾劾訴追の動き次第では予算交渉が一段と困難になるかもしれません。
・碧桂園の社債の償還延期は8本中6本を投資家が承認
・UAWは3大自動車メーカーに対するストライキを視野に
・米予算交渉は難航必至で、シャットダウンの可能性あり
今週注目のイベントについて、最新の情勢をまとめておきます。
碧桂園(カントリーガーデン)の社債償還延期
中国の不動産開発大手、碧桂園(カントリーガーデン)が3年間の償還延期を求めていた8本の人民元建て社債について、6本について投資家から承認を得たとのこと。残り2本は投資家の投票期限を11日から12日に延長しており、その結果は現時点で報道されていません。
投資家から14日の繰り上げ償還を要求される可能性があった14.4億元の社債は償還延期が認められました。そのため、碧桂園の株価は12日に小幅上昇しました。それでも終値は1.07香港ドルで、8月23日の安値0.69香港ドルからは上昇しているものの、昨年末の2.67香港ドルを大きく下回ったままです(ピークは18年1月の18.23香港ドル)。
これとは別に、遠洋集団(シノオーシャン)は9日が期限だった人民元建て社債10億元の償還を1年間延期する提案が投資家に拒否されたと報告しました。デフォルト(債務不履行)までの猶予期間は90日とのこと。
中国の不動産危機については引き続き予断を許さない状況です。
UAWストライキ
UAW(全米自動車労組)と3大メーカーの労使交渉の期限が14日(現地23:59)に迫っています。両者は若干の歩み寄りを見せましたが、隔たりは依然として大きいようです。UAWは4年間40%(複利計算で46%)の賃上げ要求を同36%へと引き下げました。一方、3大メーカーの回答は4年間で9-10%(ステランティスは後に14.5%へ引き上げ)。
ストライキ突入の可能性が高まっており、UAWは組合員に対して、ピケに備えて暖房用ドラム缶や簡易トイレを用意するように伝えました。
UAWの組合員は約15万人。今回は、妥結しなかったメーカー全てにストライキを決行する意向のようです。UAWは過去に3大メーカー全てにストライキを行ったことはないとのこと。UAWの最後のストライキは19年にGMに対して行ったもので、過去50年超で最長の40日間でした。フォードに対しては76年が最後。ステランティス(旧クライスラー)に対しては85年と07年に実施されています。
米国の24年度予算交渉
今年10月1日に始まる24年度の歳出予算12本がいずれも成立していません。時間的余裕があまりないため、議会は短期の継続予算を成立させて10月1日以降も審議を継続することを視野に入れているようです。ただし、民主党と共和党が継続予算でさえ合意できなければ、シャットダウン(政府機関の一部閉鎖)が起きることになります。
予算交渉では、大幅な歳出削減を要求する下院共和党の保守強硬派(フリーダムコーカス)が重要なカギを握りそうです。マッカーシー下院議長は、保守強硬派を懐柔したうえで、予算交渉で民主党(バイデン政権)と合意できるでしょうか。
マッカーシー下院議長は、保守強硬派の圧力を受けてバイデン大統領の弾劾訴追に向けた正式な調査を指示しました。これは、バイデン大統領が次男ハンター氏の外国企業との取引で自ら利益を得ていたとの疑惑に関するもの。弾劾訴追の動き次第では予算交渉が一段と困難になるかもしれません。
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