日銀はマイナス金利解除に踏み切るか
2023/09/12 08:08
【ポイント】
・YCC撤廃やマイナス金利解除の観測で米ドル/円は下落
・同様の理由で日本の長期金利は0.709%まで上昇
・日本の長期金利は米ドル/円に影響を及ぼすようになるか
11日の東京市場で、米ドル/円は147円割れでスタート、一時145円台を示現しました。植田日銀総裁が9日付け読売新聞のインタビューで、賃金と物価の好循環を見極めるためのデータが年内にもそろう可能性があるとの認識を示したためです。
市場では、YCC(イールドカーブ・コントロール)撤廃やマイナス金利解除が前倒しされるとの観測が強まりました。日本の長期金利(10年物国債利回り)は0.709%に上昇しました。
日銀はあと3カ月程度のデータを基に2%の基調的物価が達成できると確信を持てるのでしょうか。ただ、植田総裁の発言は「円安」進行に対するけん制の意味合いもあったかもしれません。
長期金利差と米ドル/円
日本の長期金利は、YCC柔軟化後の「めど」0.50%と上限1.00%の中間(0.75%)にも達していません。今後、投資家がどこまで長期金利の上限を試し、また日銀がそれを容認するのか、大いに注目されます。

米ドル/円と米長期金利の間には強い相関があります。本来は、米ドル/円と相関が強くあるべきは、日米長期金利差です。しかし、日本の長期金利は変動が小さかったこともあって、米ドル/円に対する説明力は、米長期金利の方が日米長期金利差より大きくなっています(3月15日~8月31日、8月1日~9月11日の期間で調査)。日本の長期金利が独自に米ドル/円に影響を及ぼすようになるのか、そちらも注目されるところでしょう。
・YCC撤廃やマイナス金利解除の観測で米ドル/円は下落
・同様の理由で日本の長期金利は0.709%まで上昇
・日本の長期金利は米ドル/円に影響を及ぼすようになるか
11日の東京市場で、米ドル/円は147円割れでスタート、一時145円台を示現しました。植田日銀総裁が9日付け読売新聞のインタビューで、賃金と物価の好循環を見極めるためのデータが年内にもそろう可能性があるとの認識を示したためです。
市場では、YCC(イールドカーブ・コントロール)撤廃やマイナス金利解除が前倒しされるとの観測が強まりました。日本の長期金利(10年物国債利回り)は0.709%に上昇しました。
日銀はあと3カ月程度のデータを基に2%の基調的物価が達成できると確信を持てるのでしょうか。ただ、植田総裁の発言は「円安」進行に対するけん制の意味合いもあったかもしれません。
長期金利差と米ドル/円
日本の長期金利は、YCC柔軟化後の「めど」0.50%と上限1.00%の中間(0.75%)にも達していません。今後、投資家がどこまで長期金利の上限を試し、また日銀がそれを容認するのか、大いに注目されます。

米ドル/円と米長期金利の間には強い相関があります。本来は、米ドル/円と相関が強くあるべきは、日米長期金利差です。しかし、日本の長期金利は変動が小さかったこともあって、米ドル/円に対する説明力は、米長期金利の方が日米長期金利差より大きくなっています(3月15日~8月31日、8月1日~9月11日の期間で調査)。日本の長期金利が独自に米ドル/円に影響を及ぼすようになるのか、そちらも注目されるところでしょう。

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