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豪ドル:RBA政策会合に注目!

2023/09/05 08:52

【ポイント】
RBA(豪中銀)の声明を受けて利上げ観測が市場で強まるかどうか
・米国の長期金利の動きに米ドルが反応しそう

(欧米市場レビュー)

4日の欧米時間の外為市場は、比較的落ち着いた展開。おおむね米ドル/円は146円台前半、ユーロ/円は158円ちょうど前後、ユーロ/米ドルは1.08ドルちょうど前後、豪ドル/円は94円台半ばで推移しました。主要な経済指標の発表がなく手がかり材料難のなか、米国とカナダが祝日ということもあって全般的に様子見ムードが漂いました。

(本日の相場見通し)

本日、RBA(豪中銀)が政策会合を開きます。17日に任期満了を迎えるロウRBA総裁にとって最後の会合です(18日にブロックRBA副総裁が総裁に就任)。会合の結果は、日本時間13時30分に発表されます。

RBAは7月と8月の2会合連続で政策金利を据え置いており、現在の政策金利は4.10%です。

豪州の7月CPI(消費者物価指数)は前年比4.9%と、上昇率は6月の5.4%から鈍化しました。月次CPIは、四半期CPIの3分の2程度の品目しかカバーしていない点に留意する必要はあるものの、インフレ率の鈍化が確認されたことでRBAは本日の会合で政策金利を4.10%に据え置きそうです。

RBAの声明にも注目です。市場では、RBAは年内に再び利上げを行うとの観測もあります。RBAは8月会合時の声明で「ある程度のさらなる金融政策の引き締めが必要になるかもしれないが、それはデータとリスク評価次第」とし、利上げ再開に含みをもたせました。今回の声明が市場の利上げ観測を強める内容になれば、豪ドルが堅調に推移して、豪ドル/円や豪ドル/NZドルは上値を試す展開になりそうです。豪ドル/NZドルの目先の上値メドとして、1.09196NZドル(7/24高値)が挙げられます。

※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/NZドル、豪中銀会合が相場動意となりそう]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

RBAの政策金利の推移

***

本日は、米国の主要な経済指標の発表はなく、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向が材料になりそうです。米長期金利が上昇すれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、NZドル/米ドルは下値を試すと考えられます。豪ドル/米ドルは、RBAの政策会合の結果にも影響を受ける可能性があります。

米ドル/円が上昇する場合、本邦当局の反応にも注目です。鈴木財務相は1日、「(為替相場が)急激に変動することは望ましくない」「しっかりと動きを注視していきたい」などと述べました。鈴木財務相や神田財務官からの円安(米ドル/円の上昇)をけん制するトーンが強まれば、米ドル/円はいったん下落しそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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