ECB中銀フォーラム、ウォーシュFRB議長らの発言
2026/07/02 08:23
【ポイント】
・中銀フォーラムで主要中銀のトップがパネル討論
・原油安に伴うインフレ圧力の低下を指摘
・「時間差」に注意しつつ、アグレッシブな利上げは必要なし⁉
6月29日-7月1日の日程で、ECB主催の年次中央銀行フォーラムがポルトガル・シントラで開催されました。1日には、ウォーシュFRB議長やベイリー英BOE総裁らのパネル討論があったので、そこでの発言を以下にまとめました。共通のメッセージは、インフレ抑制のためのアグレッシブな利上げは必要なくなりつつあるというものでしょう。
ウォーシュFRB議長:
・この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した。
・物価安定がFOMCに課せられた使命であり、我々の目標でもある。
・そのための戦術や戦略などは今後明らかにしていく。
・(6月FOMC同様に)今後もフォワードガイダンスは示さない。
・ただし、ドット・プロットはしばらく残す。
・AI関連投資の急増がインフレ圧力となっているのか判断するのは時期尚早だ。
・最終的にはAIは生産性を向上させる(ことでインフレを低下させる)。
なお、ウォーシュ議長は5つの作業部会のうち、「コミュニケーション」の共同議長にキング元BOE総裁を指名。同氏はBOE総裁時代にコミュニケーションの透明性を高める改革を主導しました。その他の作業部会についても近く詳細を発表するとのこと。
ベイリーBOE総裁:
・原油安でインフレのリスクは後退しつつあるものの、利下げは現時点では議論の対象外だ。
・光熱費は3カ月ごとに改定されるため、過去のエネルギー高が時間差で現れる可能性がある。
・景気が軟化していることを踏まえれば、年内に利下げありとの市場の観測は不合理ではない。
ラガルドECB総裁:
・インフレ上振れと景気下振れのリスクは、前者が大きかったが、足もとで均衡に近付いている。
・インフレが制御不能となる事態は許さない。必要な措置は講じてきたし、今後も講じる。
マックレムBOC(カナダ中銀)総裁:
・中立金利は2.25%~3.25%と考えており、現在(政策金利2.25%)はその下限近辺。
・景気は軟調であり、その政策金利がちょうどよい水準にある。
・AI関連投資の過熱を注視する必要がある。
・中銀の独立性は尊重されるべきであり、政策金利に関する指図は歓迎されない。

OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、先週末(6月26日)と比べて7月1日時点で、ECBとBOEの利上げ観測が比較的大きく後退。BOEの10月までの利上げ確率はほぼ五分五分(51%)に低下しました。また、市場は、ECBとBOJ(日銀)についても10月までの利上げはやや微妙とみているようです。BOCについては「据え置き」が基本シナリオ。
FRBについては10月までの利上げが確実視されていますが、本日2日の雇用統計も含めて今後の経済指標で市場の観測がどう変化するか。フォワードガイダンスを廃止したウォーシュ議長が議会証言(7/14)の場などで何を語るかも要注目でしょう。
・中銀フォーラムで主要中銀のトップがパネル討論
・原油安に伴うインフレ圧力の低下を指摘
・「時間差」に注意しつつ、アグレッシブな利上げは必要なし⁉
6月29日-7月1日の日程で、ECB主催の年次中央銀行フォーラムがポルトガル・シントラで開催されました。1日には、ウォーシュFRB議長やベイリー英BOE総裁らのパネル討論があったので、そこでの発言を以下にまとめました。共通のメッセージは、インフレ抑制のためのアグレッシブな利上げは必要なくなりつつあるというものでしょう。
ウォーシュFRB議長:
・この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した。
・物価安定がFOMCに課せられた使命であり、我々の目標でもある。
・そのための戦術や戦略などは今後明らかにしていく。
・(6月FOMC同様に)今後もフォワードガイダンスは示さない。
・ただし、ドット・プロットはしばらく残す。
・AI関連投資の急増がインフレ圧力となっているのか判断するのは時期尚早だ。
・最終的にはAIは生産性を向上させる(ことでインフレを低下させる)。
なお、ウォーシュ議長は5つの作業部会のうち、「コミュニケーション」の共同議長にキング元BOE総裁を指名。同氏はBOE総裁時代にコミュニケーションの透明性を高める改革を主導しました。その他の作業部会についても近く詳細を発表するとのこと。
ベイリーBOE総裁:
・原油安でインフレのリスクは後退しつつあるものの、利下げは現時点では議論の対象外だ。
・光熱費は3カ月ごとに改定されるため、過去のエネルギー高が時間差で現れる可能性がある。
・景気が軟化していることを踏まえれば、年内に利下げありとの市場の観測は不合理ではない。
ラガルドECB総裁:
・インフレ上振れと景気下振れのリスクは、前者が大きかったが、足もとで均衡に近付いている。
・インフレが制御不能となる事態は許さない。必要な措置は講じてきたし、今後も講じる。
マックレムBOC(カナダ中銀)総裁:
・中立金利は2.25%~3.25%と考えており、現在(政策金利2.25%)はその下限近辺。
・景気は軟調であり、その政策金利がちょうどよい水準にある。
・AI関連投資の過熱を注視する必要がある。
・中銀の独立性は尊重されるべきであり、政策金利に関する指図は歓迎されない。

OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、先週末(6月26日)と比べて7月1日時点で、ECBとBOEの利上げ観測が比較的大きく後退。BOEの10月までの利上げ確率はほぼ五分五分(51%)に低下しました。また、市場は、ECBとBOJ(日銀)についても10月までの利上げはやや微妙とみているようです。BOCについては「据え置き」が基本シナリオ。
FRBについては10月までの利上げが確実視されていますが、本日2日の雇用統計も含めて今後の経済指標で市場の観測がどう変化するか。フォワードガイダンスを廃止したウォーシュ議長が議会証言(7/14)の場などで何を語るかも要注目でしょう。
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