米イラン協議を受け、米ドル高・原油高に
2026/04/13 08:58
【ポイント】
・米国とイランの協議は物別れに終わる
・トランプ大統領はホルムズ海峡を封鎖すると表明
・イラン情勢に引き続き目を向ける必要がありそう
・米ドル/円が160円に接近するなか、本邦当局の対応は?
(欧米市場レビュー)
10日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/カナダドルは1.37981カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.27183シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.17335ドル、英ポンド/米ドルは1.34735ドルへと上昇しました。米国の3月CPI(消費者物価指数)や4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が市場予想を下回ったことが、米ドルの重石となりました。CPIの結果は総合が前年比3.3%(市場予想は3.4%)、コアが2.6%(同2.7%)、ミシガン大学消費者信頼感指数は47.6(同52.0)でした。
米ドル/円については、米CPIの結果発表直後に一時159円を割り込んだものの、159円を下回ったのは一時的でした。
ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(ノックセック)は一時0.97067スウェーデンクローナへと下落しました。原油価格が軟調に推移した(ノルウェークローネにとってマイナス)ことが、ノックセックに対する下押し圧力となりました。
(本日の相場見通し)
米国とイランは11日から12日にかけて、パキスタンの首都イスラマバードで戦闘終結に向けて協議したものの、合意に達することなく終了しました。
両国の協議が物別れに終わったことを受け、トランプ大統領は12日、自身のSNSで「米海軍はホルムズ海峡に出入りしようとする全ての船舶の封鎖をただちに開始する」と表明。「国際水域においてイランに通航料を支払った全ての船舶を捜索し、阻止するよう海軍に指示した」と投稿しました。米中央軍は「イランの港に出入りする全ての船舶に対する封鎖措置を米東部時間13日午前10時(日本時間同日午後11時)に開始する」と発表しました。
米紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)は12日、「トランプ大統領はホルムズ海峡の封鎖に加えて、イランに対する限定的な攻撃を再開することを検討している」と報じました。
これらを受けて日本時間13日午前は、安全資産とされる米ドルが堅調に推移しており、また原油価格が急伸しています。米WTI原油先物の中心限月5月物は、時間外取引で一時1バレル=105ドル台を付けました。5月物の10日の清算値(終値に相当)は96.57ドルでした。
イラン情勢に引き続き目を向ける必要があり、イラン情勢をめぐる懸念が一段と強まるようなら、米ドル高や原油高がさらに進むとみられます。原油価格が上昇する場合、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナが堅調に推移しそうです。
米ドル/円が再び160円に接近するなか、本邦当局の対応にも注目です。片山財務相は10日の衆院財務金融委員会で「原油市場や原油先物市場に加え、為替市場でも非常に投機的な動きが高まっている」と指摘。「かねてより断固たる措置にも言及している」とし、「為替が国民生活や経済に与える影響を踏まえて、あらゆる方面で万全の対応を取っていく」と述べました。
仮に本邦当局が為替介入(米ドル売り・円買い介入)に踏み切る、あるいは為替介入をしなくてもその準備ともされるレートチェックを行えば、米ドル/円は大きく下落すると考えられます。
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日銀の植田総裁が信託大会で挨拶します(日本時間15:15~)。植田総裁の挨拶では、次回4月27-28日の会合における金融政策決定についてのヒントが提供されるかどうかに注目です。
市場では、日銀は次回会合で0.25%の利上げを行うとの観測があります。植田総裁の挨拶を受けてその観測が強まる場合、円にとってプラスになりそうです。
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