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米PCEとWTIのシミュレーション

2026/03/11 07:22

【ポイント】
・WTI原油価格は25年平均で1バレル=64.73ドル
・今後、WTI原油価格が60ドルを大きく超えて推移すれば、インフレ上昇圧力に
・WTI原油価格が120ドルで推移すれば、PCEは3%台も

原油価格の動きが激しくなっており、先行き予断を許しません。昨日の本欄では、WTI原油価格が1バレル=100ドルを維持すると仮定した場合の米CPIへのインパクトを分析しました。

■10日付け「原油高のインフレ圧力:米CPIへの影響を試算」

今回は米個人消費支出であるPCEのデフレーター(以下、PCE)についても同様の分析を行い、また、前提としてWTI原油価格40ドル、60ドル、80ドル、120ドルを維持した場合についても影響を試算しました。なお、回帰分析により求められたPCEエネルギーとWTI原油価格(いずれも前年比%)の関係式は以下の通り。

   PCEエネルギー=0.0456+0.397*WTI原油価格
 <推計期間:15年1月~25年12月、決定係数R2=0.68>

PCEとWTI


つまり、この関係式に基づけば、原油価格が前年比10%変化すれば、PCEエネルギー価格は約4%変化。その場合、PCE総合指数に占めるエネルギーのウェイトは3.7%なので、PCE総合は0.15%変化するという関係があります。

WTI原油価格は平均64.73ドル。高値は1月15日の80.04ドル、安値は12月16日の55.27ドル、25年末は57.42ドルでした。したがって、WTI原油価格が60ドルを維持する場合はPCEへの影響はほとんどありません。40ドルを維持すれば、PCE前年比を0.5%程度下押しし、逆に80ドルで前年比を最大0.6%押し上げ、100ドルだと同1.0%、120ドルだと同1.6%程度押し上げるとの結果が得られました。

米PCEと原油価格の関係

なお、25年12月のPCE総合は、前年比2.9%。したがって、WTI原油価格が60ドルを超えて推移すれば、PCE総合は3%超となる可能性もあり、FRBは追加利下げに慎重になるでしょう(10日のCPIを用いた分析と同じ結論です)。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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