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衆院選を受けて米ドル/円は一時157円台後半に上昇、その後反落

2026/02/09 09:15

【ポイント】
・衆院選では自民党が大勝、本邦の財政状況をめぐる懸念が高まるか
・三村財務官は「高い緊張感を持って注視する」と述べ、円安をけん制
・米国とイランは協議を継続することで合意、原油価格に下押し圧力か
・メキシコCPIで市場のBOM追加利下げ観測がどうなるか

(欧米市場レビュー)

6日、欧米時間の外為市場ではが軟調に推移。一時米ドル/円は157.174円、ユーロ/円は185.738円、英ポンド/円は213.999円、豪ドル/円は110.335円、NZドル/円は94.591円へと上昇。豪ドル/円は90年10月以来35年4カ月ぶり、NZドル/円は24年7月以来1年7カ月ぶりの高値をつけました。欧州や米国の主要な株価指数が堅調に推移するなか、リスクオン(リスク選好)が強まったことが、円安圧力となりました。

米ドルも軟調。一時米ドル/カナダドルは1.36420カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.26999シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.18208ドル、英ポンド/米ドルは1.36179ドルへと上昇しました。円と同じく、リスクオンが米ドルに対する下押し圧力になったとみられます。

米株式市場では、ダウが前日比1,206.95ドル高(2.47%)の50,115.67ドルで取引を終え、史上最高値をつけました。

ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(ノックセック)は一時0.93249スウェーデンクローナへと上昇し、25年12月4日以来およそ2カ月ぶりの高値を記録。スウェーデンの1月CPI(消費者物価指数)速報値が市場予想を下回った(スウェーデンクローナにとってのマイナス材料)ことが、ノックセックの上昇要因となりました。

CPIの結果は以下のとおり。( )は市場予想です。
・CPI総合(前月比):0.1%(0.4%)
・CPI総合(前年比):0.4%(0.6%)
・CPIF(住宅ローン金利変動の影響を除外。前月比):0.2%(0.3%)
・CPIF(前年比):2.0%(2.1%)

(本日の相場見通し)

8日に投開票が行われた衆院選では、自民党が3分の2の議席を確保しました。それを受けて本日のオセアニア・東京時間朝の外為市場では円が一段安となり、一時米ドル/円は157円台後半、ユーロ/円は156円台、豪ドル/円は110円台後半、NZドル/円は94円台後半へと上昇しました(日本時間08:20時点)。“責任ある積極財政”を掲げる高市政権が政策を進めやすくなることで、本邦の財政状況が悪化する可能性が市場で意識されたとみられます。

その後、米ドル/円やユーロ/円など対円の通貨ペアは上げ幅を縮小。三村財務官が為替について「高い緊張感を持って注視する」と述べたことで米ドル/円が下落し、ユーロ/円や豪ドル/円などはそれに引きずられたと考えられます。

ただ今後、衆院選の結果が市場で改めて意識されれば、対円の通貨ペアは再び上値を試す展開になる可能性があります。ユーロ/は、1月23日高値の186.855が目先の上値メドです。

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米国とイランは6日、オマーンの首都マスカットでイランの核開発問題をめぐり高官協議を開催。両国は協議を継続することで合意しました。それを受けてイラン情勢をめぐる懸念が後退し、米WTI原油先物は日本時間9日朝の取引で一時1バレル=62.62ドルへと下落(日本時間08:40時点)。WTI原油先物の6日NY市場清算値(終値に相当)は63.55ドルでした。

原油価格の下落は、カナダドルノルウェークローネにとってマイナス材料になると考えられます。原油価格が一段と下落する場合、それらの通貨は軟調に推移する可能性があります。

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メキシコの1月CPIが本日発表されます(日本時間21:00)。その結果にメキシコペソが反応しそうです。

メキシコのCPIの市場予想は、総合が前年比3.82%、変動の大きい食品やエネルギー・農畜産物を除いたコアが同4.50%。総合とコアのいずれも前月(3.69%と4.33%)から上昇率が高まるとみられています。BOM(メキシコ中銀)のインフレ目標は3%(許容レンジは2~4%)です。

BOMは2月5日の政策会合で政策金利を7.00%に据え置くことを決定。BOMが政策金利を据え置いたのは24年6月以来1年8カ月ぶりで、25年12月まで12会合連続で利下げを実施していました。BOMはインフレ見通しを25年12月時点から上方修正する一方で、先行きの金融政策について「追加の政策金利調整を検討する」と表明。追加利下げに含みを持たせました。BOMの次回会合は3月26日です。

※BOMの会合について詳しくは、6日の『デイリーフラッシュ』[メキシコ中銀は利下げをいったん停止!]をご覧ください。

本日発表のCPIが市場予想を上回る結果になれば、市場でBOMによる追加利下げ観測が後退するとともに、メキシコペソにとってプラス材料になりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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