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【株価指数】自民党圧勝、問われる「責任ある積極財政」

2026/02/09 06:51

【ポイント】
・「責任ある積極財政」の実現可能性やスピード感が問われそう
・米国の1月雇用統計(+年次改定)に要注目
・移民取締絡みで国土安全保障省の予算失効も。中間選挙に影響するか

(先週のレビュー)

日経平均は比較的堅調。3日に史上最高値を更新しました。衆院選での自民党優勢が伝えられて、高市政権の政策に対する期待が株価上昇の要因となりました。

NYダウは揉み合った後に6日に大幅上昇して初めて5万ドル台に乗せました。ISM製造業・非製造業指数など経済指標が比較的堅調で株高要因となりました。一方で、S&P500ナスダック100は下落基調。米スタートアップ企業のアンソロピックが新しいAIツールを発表し、ソフトウェアや金融サービス関連企業の株価が大きく下げました。ハイテク企業のAI投資が過剰との懸念も根強くありました。ただ、S&P500もナスダック100も6日には押し目が入って上昇しました。

FTSE100は昨年11月下旬からの堅調が持続、4日に高値を更新しました。5日のBOE(英中銀)の政策会合では政策金利の据え置きが決定されました。ただし、票決は5対4で4人が利下げを支持しており、次回3月の会合での利下げ観測が高まりました。


(今週の相場材料)

8日投開票の衆院選で自民党が圧勝。単独で議席の3分の2以上を獲得しました。9日は、責任ある積極財政と緩和的金融政策、いわゆるサナエノミクスへの期待から株高、債券安(金利高)、円安で反応する可能性が高そうです。もっとも、高市首相および自民党が掲げる消費税減税や給付付き税額控除の実現の可能性スピード感が改めて検証されるでしょう。また、減税の財源がどうなるか、すなわち「責任ある」の部分が問われることになりそう。一部では、22年秋の英国の「トラス・ショック(※)」の二の舞を危惧する声もあります。国債が売られて市場金利、とりわけ長期金利(10年物国債利回り)や超長期金利(同20、30、40年物)が大きく上昇しないか注意が必要でしょう。市場金利が上昇すれば、減税効果への期待が相殺され、株価にもマイナスとなるかもしれません。

22年9月にジョンソン首相の後を継いだトラス首相が大規模減税を提唱しましたが、財源が不透明だったことで市場がネガティブに反応。株安・債券安・英ポンド安のトリプル安が示現しました。このため、トラス首相は在任50日で辞任を余儀なくされました。

今週は、11日に発表される米国の1月雇用統計が最も重要かもしれません。1月31日から2月3日まで続いたシャットダウン(政府機能の一部停止)の影響で当初6日の発表予定が遅れました。米経済指標は堅調なものが多いものの、先週のADP雇用など労働市場関係は弱いものが目立ちます。移民の取締り強化やAIによる省力化などの背景もあります。今回は年次改定も含まれており、雇用の増加ペースが当初発表よりも弱かった可能性もあります。13日には1月CPI。こちらも当初の11日発表から遅れました。

13日には米・国土安全保障省の予算が期限切れとなります。他の省庁は年度末(今年9月末)まで予算措置がされていますが、ICE(移民・関税執行局)を管轄する同省については、移民取締ルールの改正を求めた民主党・が2週間のみの予算としました。新たな移民取締ルールで合意できなければ、同省の業務は停止されます。その他の省庁は通常通りですが、本件は秋の中間選挙に向けて重要な要因になるかもしれません。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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