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イラン情勢と原油価格

2026/01/16 08:26

【ポイント】
・イラン政府がデモ参加者の処刑をしないことを約束
・トランプ大統領は当面イラン攻撃を見送る考え
・原油価格の動向には引き続き要注意か

WTI原油先物価格は、イラン国内の反政府デモ激化やトランプ大統領の介入示唆を受けて14日に一時1バレル=62.36ドルと、昨年10月下旬以来の高値をつけました。15日にはイラン政府がデモ参加者の処刑はしないと約束、トランプ大統領がイラン攻撃を当面見送る考えを示したことで、WTI原油先物価格は59ドルちょうど近辺まで下落しました。

WTI原油先物価格

もっとも、イラン情勢は流動的であり、予断を許しません。同じく産油国であるベネズエラについても米国による監視のもとで新たな政治体制が軌道に乗るか不透明です。原油価格の動向には引き続き要注意かもしれません。

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Energy Instituteによれば、イランの24年原油産出量は日量506万バレル。トップ米国の2,014万バレルには及びませんが、それでも世界第5位。埋蔵量は世界第4位です(ベネズエラは埋蔵量で世界第1位ながら生産量は第20位)。

核開発に絡んでイランは禁輸措置など経済制裁を受けているため、現在の原油の輸出先は中国などごく一部に限られているようです。それでも、イラン情勢が一段と緊迫化するならば、中東における地政学リスクの高まりという形で原油価格に上昇圧力を加えそうです。

昨年6月13日~25日には、イスラエルがイランの核軍事施設を攻撃、のちに米国もイランを攻撃した12日間戦争が勃発。原油価格は一時1バレル=80ドルに接近しました。イランの反撃がカタールの米空軍基地への形だけのものにとどまったために、原油価格は65ドル近辺まで急落しました(上図ご参照)。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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