円安が一段と進行、ユーロ/円はユーロ導入後の最高値更新続く
2026/01/14 08:54
【ポイント】
・本邦当局による“円安”けん制のトーンが強まるか
・米経済指標やベージュブックで市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・原油価格が一段と上昇するか
(欧米市場レビュー)
13日、欧米時間の外為市場では円が引き続き軟調に推移。一時米ドル/円は159.162円、ユーロ/円は185.479円、英ポンド/円は214.249円、豪ドル/円は106.633円へと上昇し、ユーロ/円は99年1月のユーロ導入後の最高値をつけ、英ポンド/円は08年7月以来、米ドル/円と豪ドル/円は24年7月以来の高値を記録しました。自民党が衆院選で勝利すれば、積極的な財政政策が加速する(財政状況が悪化する)との思惑が引き続き円安圧力となりました。
米国の25年12月CPIの結果は、総合が前年比2.7%、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアが同2.6%でした。総合は市場予想どおりだったものの、コアが市場予想の2.7%を下回ったことを受け、CPI発表後に米ドルが軟化しましたが、それは一時的でした。
※米CPIについては、本日の『ファンダメ・ポイント』[米CPIコアは市場予想から下振れ、利下げ見通しに変化は?]にて詳しく解説していますので、ご覧ください。
(本日の相場見通し)
高市政権による積極財政をめぐる思惑から円安圧力が強まるなか、本邦当局による“円安”けん制のトーンがこれまでよりも強まるのかに注目です。
片山財務相は12日(日本時間13日)、ワシントンでのベッセント米財務長官との会談後に「一方的な円安を憂慮していると伝え、ベッセント長官と共有した」と発言。尾崎官房副長官は13日(日本時間)の記者会見で「足もとで一方向の急激な動きがみられ、憂慮している」、「投機的な動きを含め、行き過ぎた動きには適切に対応する」と述べました。
本邦当局から“円安”をけん制する発言がでてこない、あるいはけん制する発言が出てきたとしても、これまでとそれほど変化がなければ、米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円など対円の通貨ペアは一段と上昇する可能性があります。
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本日は、米国の25年11月のPPI(生産者物価指数)や小売売上高が発表され、ベージュブック(米地区連銀経済報告)が公表されます。ベージュブックは、12の地区連銀がそれぞれの管轄地区の経済活動をまとめたものでFOMC(米連邦公開市場委員会)の討議資料となります。次回のFOMCは1月27-28日に開催されます。
市場予想は以下のとおりです。
・PPI(前年比):2.7%
・PPIコア(前年比):2.7%
・小売売上高(前月比):0.5%
・小売売上高(除自動車、前月比):0.4%
PPIや小売売上高が市場予想を上回る結果になる、あるいはベージュブックの内容を受けてFRB(米連邦準備制度理事会)による追加利下げ観測が後退すれば、米ドルが堅調に推移しそう。その場合、米ドル/カナダドルや米ドル/シンガポールドルは上値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になると考えられます。ユーロ/米ドルは、200日移動平均線(14日時点で1.15789ドル)が目先の下値メドです。
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米WTI原油先物は13日、4営業日連続で上昇しました。中心限月である2月物は前日比1.65ドル高(2.8%)の1バレル=61.15ドルで取引を終え、中心限月の清算値(終値に相当)としては25年10月下旬以来およそ2カ月半ぶりの高値をつけました。イランでは政府に対する抗議デモが激化しています。同国からの原油供給が減少するとの観測が、原油価格の上昇要因となりました。
原油価格が一段と上昇する場合、カナダドルやノルウェークローネ、メキシコペソが堅調に推移する可能性があります。
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