マネースクエア マーケット情報

市場の関心は日銀会合へ!?

2025/12/19 09:10

【ポイント】
・植田総裁の会見で次の利上げについてどのようなヒントが提供されるか
・メキシコ中銀は今後利下げをいったん停止!?

(欧米市場レビュー)

18日、欧米時間の外為市場ではノルウェークローネが堅調に推移。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.91429スウェーデンクローナへと上昇しました。

ノルゲバンク(ノルウェー中銀)は政策金利を4.00%に据え置くことを決定。ノルゲバンクの声明では、「経済情勢が現在想定している通りに展開すれば、今後1年のうちに政策金利は引き下げられる」とされました。

ノルゲバンクは一方で「インフレ率は依然として高過ぎる」とし、「引き続き(景気)抑制的な金融政策が必要だ」と表明。「われわれは利下げを急いでいない。政策金利の見通しは9月からほとんど変わっていない」としました。それらがノルウェークローネにとってのプラス材料になったと考えられます。

ECB(欧州中銀)リクスバンク(スウェーデン中銀)政策金利を据え置くことを決定。BOE(英中銀)BOM(メキシコ中銀)政策金利を0.25%引き下げました(*BOMの詳細は後述)。

※詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[中銀デーのレビュー:BOEは利下げ、ECBは据え置き、その他は・・?]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日は、日銀金融政策決定会合が開かれます。会合の結果は通常正午前後に判明し、15時30分から植田日銀総裁が会見します。

植田総裁は1日、次回の会合で「利上げの是非について適切に判断したい」と述べました。市場は、本日の会合で0.25%の利上げが決定されると予想しています。

そのとおりの結果になれば、植田総裁の会見が相場材料になりそう。植田総裁は会見で「経済・物価の見通しが実現していけば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との方針を改めて表明するとみられます。注目点は、次の利上げのタイミングや現在の利上げサイクルの最終到達点(ターミナルレート)についてのヒントが提供されるのかです。

日銀はさらなる利上げに慎重だと市場が受け止めれば、が軟調に推移して、米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円などには上昇圧力が加わると考えられます。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、日銀会合&植田総裁会見が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

*******

BOM(メキシコ中銀)は18日に政策会合を開き、0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を7.25%から7.00%に引き下げました。BOMによる利下げは12会合連続で、24年3月以降13回目です。0.25%の利下げは4対1で決定され、ヒース副総裁は直近4会合と同じく政策金利の据え置きを主張して反対票を投じました。

BOMの声明で利下げについて、「為替レートの動向(メキシコペソ高)」や「メキシコの経済活動の弱さ」、「各国の通商政策の変更が影響を及ぼす可能性」などを考慮したと説明しました。

BOMは「25年第4四半期(10-12月期)のメキシコの経済活動は引き続き低調だと予想される」とし、「不確実性と貿易摩擦の環境が依然として重大な下振れリスクになっている」との認識を示しました。

BOMは、25年第4四半期から26年第2四半期(4-6月期)までのCPI総合とCPIコアの上昇率見通しを11月時点から上方修正しました(下の図の青枠)。ただし、目標とする3%に到達する時期の見通しは26年第3四半期に据え置きました(同赤枠)。

BOMのインフレ率見通し

声明ではフォワードガイダンス(先行きの金融政策の示唆)が修正されました。直近2会合(9月と11月)は今後について「政策金利の引き下げを検討する」でしたが、今回は「追加的な政策金利調整のタイミングを検討する」になりました。BOMによる利下げはいったん停止されて、次回26年2月5日の会合で政策金利は据え置かれる可能性がありそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ