RBA総裁の発言などで豪ドルが堅調
2025/10/28 09:16
【ポイント】
・ブロックRBA(豪中銀)の発言はタカ派的
・米消費者信頼感でFRB利下げ観測が変化するか
(欧米市場レビュー)
27日、欧米時間の外為市場では豪ドルが堅調に推移。一時豪ドル/円は100.303円、豪ドル/米ドルは0.65539米ドル、豪ドル/NZドルは1.13761NZドルへと上昇しました。25-26日の米中閣僚級協議を受けて両国の貿易摩擦への懸念が後退(リスクオン)したことに加え、RBA(豪中銀)のブロック総裁のタカ派的な発言が、豪ドルの上昇要因となりました(*ブロック総裁の発言については後述)。
(本日の相場見通し)
日米首脳会談が本日午前に開催されます。その内容次第では材料になる可能性があるため注目です。
※日米首脳会談については、本日の『ファンダメ・ポイント』[米中首脳会談の注目ポイント、関税や輸出入規制が緩和されるか]をご覧ください。
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米国の10月消費者信頼感指数が本日発表されます(日本時間23:00)。その結果に市場が反応する可能性があります。
市場は、28-29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での0.25%利下げをほぼ確実視。次々回12月9-10日のFOMCでも0.25%の利下げを行うとの見方が大勢です。
消費者信頼感指数が市場予想の93.2を下回る結果になれば、それらの利下げ観測が補強されるとともに、26年1月以降の追加利下げ観測が高まるかもしれません。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/カナダドルや米ドル/シンガポールドルは下値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上値を試す展開になりそうです。
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日本や米国など主要国の株価動向にも注目です。主要国の株価が堅調に推移れば、リスクオン(リスク選好)が強まる可能性があります。リスクオンは、円にとってのマイナス材料になる一方で、豪ドルやNZドルにとってはプラス材料になると考えられます。
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ブロック総裁は27日にシドニーで開かれた経済関連の夕食会で、豪州の9月失業率が約4年ぶりの高水準へと上昇した(※)ことについて質問されると、「月次の数値は大きく変動するもの」とし、「(9月失業率は)RBAの予測を大きく上回るものではない」と回答。「失業率は来月低下する可能性がある」と述べました。
(※)豪州の9月失業率は4.5%と、8月の4.3%から上昇(悪化)し、21年11月以来およそ4年ぶりの高水準を記録。それを受けて市場では次回11月3-4日のRBA会合での利下げ観測が高まりました。
ブロック総裁はまた、「労働市場は依然として若干ひっ迫している」との認識を示し、労働需要の先行指標は底堅く「労働市場が急激に悪化する兆しはみられない」と述べました。
豪州の7-9月期CPI(消費者物価指数)が29日に発表されます。コアインフレ率のCPIトリム平均値について市場は前期比0.8%になると予想する一方で、RBAは同0.6%近辺と予測しています。ブロック総裁は7-9月期CPIについて質問されると、「コアインフレ率が0.9%になれば、(RBAの)予測から大きく外れることになる」と答えました。
※豪ドル/円のテクニカル分析は、[豪ドル/円、足もとで再度100円台乗せもやや速度オーバー?]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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