米中首脳会談の注目ポイント、関税や輸出入規制が緩和されるか
2025/10/28 08:43
【ポイント】
・28日午前の日米首脳会談で両国の協力関係は強化されるか
・30日の米中首脳会談では、山積する課題が解決へと向かうか
・米国の対中関税、中国の輸出入規制などが緩和されるか
本日28日午前に日米首脳会談が開催されます。先の関税合意を文書にとりまとめるほか、日本の防衛費増額、ロシア産LNG輸入停止、レアアース調達、対米5,500億ドル投資などについて話し合われる可能性があります。トランプ大統領が語った「日米の素晴らしい友情を発表する」に何かサプライズは含まれるのか、興味深いところです。
日米間以上に課題が山積しているのが、米中関係です。25-26日にはマレーシアでの米中貿易交渉で合意があったとされ、27日の市場は大きくリスクオンに傾きました。30日の米中首脳会談の注目ポイントをBloomberg27日付け記事「米中首脳会談、注目すべき8つの争点」から以下に要約しました。
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米国の対中関税
米国の対中関税は現在55%。内訳は、トランプ政権1期目からの制裁関税が25%、今年2-3月にフェンタニル関税20%、相互関税10%。レアアース輸出規制に対抗して米国は対中100%関税を11月1日から賦課するとしていましたが、それは回避された模様。ただし、米中貿易休戦合意の期限が11月10日に迫っており、それが失効すれば対中関税は最大145%になるとのこと。ベッセント財務長官は従来の90日以上の停止が可能との見方を示したようですが、果たして・・
中国のレアアース輸出規制
中国が10月9日に発表した輸出規制の1年間延期で米中が合意したとされています。輸出規制は12月に実施される予定だったとのこと。
米国の対中輸出規制
上に関連して、米国が9月29日に発表した半導体製造装置の対中輸出規制がどうなるか。ベッセント財務長官は先の合意には同規制の緩和は含まれていないと説明していますが、中国は同規制の緩和を重要視している可能性があります。
フェンタニル関税
合成麻薬フェンタニルに関連して、トランプ政権はIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づいて中国に対して2-3月に計20%の関税を賦課しました。中国は同問題に関して米国と安定的な合意に達したとしていますが、関税は解除されるでしょうか。
対ロシア関係
米国はロシア・ウクライナの停戦・和平に向けて、ロシアとの関係を強化している中国からどこまで協力を得ることができるでしょうか。
米国産大豆の購入
中国は米国産大豆の輸入を事実上停止しています。ベッセント財務長官は今回の合意では中国が米国産大豆を大量購入すると述べていますが、中国は「暫定的な合意があった」とだけ説明しているようです。
港湾料金
中国は米国関連の船舶に対して10月14日から特別港湾料金の徴収を開始。米国も同日に中国船に追加料金を課しました。米中間で同問題への対処で合意したとのことです。
TikTok
トランプ大統領は9月25日に大統領令に署名、動画投稿アプリTikTok米国事業の経営権を米国が保有する方針を示しました。これに対して、中国が正式に承認したかどうかは不明とされており、首脳会談で合意できるかどうか。
・28日午前の日米首脳会談で両国の協力関係は強化されるか
・30日の米中首脳会談では、山積する課題が解決へと向かうか
・米国の対中関税、中国の輸出入規制などが緩和されるか
本日28日午前に日米首脳会談が開催されます。先の関税合意を文書にとりまとめるほか、日本の防衛費増額、ロシア産LNG輸入停止、レアアース調達、対米5,500億ドル投資などについて話し合われる可能性があります。トランプ大統領が語った「日米の素晴らしい友情を発表する」に何かサプライズは含まれるのか、興味深いところです。
日米間以上に課題が山積しているのが、米中関係です。25-26日にはマレーシアでの米中貿易交渉で合意があったとされ、27日の市場は大きくリスクオンに傾きました。30日の米中首脳会談の注目ポイントをBloomberg27日付け記事「米中首脳会談、注目すべき8つの争点」から以下に要約しました。
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米国の対中関税
米国の対中関税は現在55%。内訳は、トランプ政権1期目からの制裁関税が25%、今年2-3月にフェンタニル関税20%、相互関税10%。レアアース輸出規制に対抗して米国は対中100%関税を11月1日から賦課するとしていましたが、それは回避された模様。ただし、米中貿易休戦合意の期限が11月10日に迫っており、それが失効すれば対中関税は最大145%になるとのこと。ベッセント財務長官は従来の90日以上の停止が可能との見方を示したようですが、果たして・・
中国のレアアース輸出規制
中国が10月9日に発表した輸出規制の1年間延期で米中が合意したとされています。輸出規制は12月に実施される予定だったとのこと。
米国の対中輸出規制
上に関連して、米国が9月29日に発表した半導体製造装置の対中輸出規制がどうなるか。ベッセント財務長官は先の合意には同規制の緩和は含まれていないと説明していますが、中国は同規制の緩和を重要視している可能性があります。
フェンタニル関税
合成麻薬フェンタニルに関連して、トランプ政権はIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づいて中国に対して2-3月に計20%の関税を賦課しました。中国は同問題に関して米国と安定的な合意に達したとしていますが、関税は解除されるでしょうか。
対ロシア関係
米国はロシア・ウクライナの停戦・和平に向けて、ロシアとの関係を強化している中国からどこまで協力を得ることができるでしょうか。
米国産大豆の購入
中国は米国産大豆の輸入を事実上停止しています。ベッセント財務長官は今回の合意では中国が米国産大豆を大量購入すると述べていますが、中国は「暫定的な合意があった」とだけ説明しているようです。
港湾料金
中国は米国関連の船舶に対して10月14日から特別港湾料金の徴収を開始。米国も同日に中国船に追加料金を課しました。米中間で同問題への対処で合意したとのことです。
TikTok
トランプ大統領は9月25日に大統領令に署名、動画投稿アプリTikTok米国事業の経営権を米国が保有する方針を示しました。これに対して、中国が正式に承認したかどうかは不明とされており、首脳会談で合意できるかどうか。
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