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英CPIは市場予想より弱め、BOEの利下げはどうなる?

2025/10/23 07:26

【ポイント】
・9月英CPIは市場予想より弱めの結果
・11月利下げの観測高まるも、メインシナリオは依然として据え置き
・12月の利下げが示唆されるか、その前の主要中銀の会合が材料になりそう

英国の9月CPIは、総合が前年比3.8%、エネルギーや食料などを除くコアが同3.5%、サービスが4.7%と市場予想(4.0%、3.7%、4.8%)に比べてやや弱めでした。CPIコアは前月(3.6%)から伸びが鈍化、その他は同じ伸びでした。

英CPI

CPIの結果を受けて、BOE(英中銀)の利下げ観測が高まり、直後に英ポンドは、米ドルユーロなどに対して下落。ただ、その後は下落分の多くを戻しました。

22日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は11月6日のMPC(金融政策委員会)で0.25%利下げが決定される確率を4割弱とみています。今月上旬にはその確率は1割程度でしたが、14日に発表された8月(3カ月平均)失業率が4.8%と予想外に前月(4.7 %)から上昇したことや、今回のCPIを受けて上昇しています。

BOE金融政策予想

もっとも、11月のメインシナリオ(確率5割超)据え置き。年内の利下げ確率も7割程度にとどまっています。BOEは9月ごろをピークにインフレ率は鈍化すると予想しており、今回のCPIはその始まりとみることも可能でしょう。しかし、CPIの水準そのものが高いこともあって楽観はできないということかもしれません。仮に、11月が据え置きならば、昨年8月から続く2会合(3カ月)ごとに0.25%利下げのペースは崩れることになります。

英ポンドについては、11月6日のMPCで12月の利下げが示唆されるかどうかが注目されます。ただ、その前に来週の一連の中銀会合の結果(29日米FOMC、30日BOJ=日銀、同ECB理事会)が材料となりそうです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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