マネースクエア マーケット情報

英・ノルウェー・南アフリカの中銀会合開催!

2025/09/18 09:30

【ポイント】
BOEの声明や議事録で先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるか
・ノルゲバンクは利下げするか
SARBは政策金利を据え置くか

(欧米市場レビュー)

17日、欧米時間の外為市場では、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果判明後に米ドルが上下に往って来いのの展開になりました。FOMCでは0.25%利下げすることが決定されました。

FOMCの結果判明直後は米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下するとともに、米ドル安が進行。一時米ドル/円は145.473円、米ドル/カナダドルは1.37261カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.19132ドル、英ポンド/米ドルは1.37223ドルへと上昇しました。

しかしその後、米長期金利や米ドルは反発。一時米ドル/円は147円ちょうど近辺、1.37800カナダドル近辺へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.18100ドル近辺、英ポンド/米ドルは1.36200ドル近辺へと下落しました。

※FOMCについては、本日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMCは今年初の利下げ、積極的な利下げには慎重!?]にて詳しく解説していますので、ご覧ください。

BOC(カナダ中銀)は0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を2.75%から2.50%へと引き下げました(*詳細は後述)。

(本日の相場見通し)

本日は、BOE(英中銀)やノルゲバンク(ノルウェー中銀)、SARB(南アフリカ中銀)の政策会合があります。それらの結果が材料になりそうです。

<BOE>日本時間20時に会合結果発表
BOEは24年8月に利下げを開始し、それ以降2会合に1回のペースで利下げを実施。前回8月7日の会合では0.25%の利下げが行われて、現在の政策金利は4.00%です。

市場では、本日の会合での政策金利据え置きがほぼ確実視されています。そのとおりの結果になれば、BOEの声明や会合の議事録で先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるかどうかに注目です。

BOEは政策金利を当面据え置くと市場は予想しています。議事録などがその観測を一段と高める内容になれば、英ポンドが堅調に推移しそう。その場合、英ポンド/円や英ポンド/米ドルには上昇圧力が、ユーロ/英ポンドには下落圧力が加わると考えられます。

※英ポンド/円のテクニカル分析については、本日の『テクニカル・ポイント』[『200円の壁』突破の英ポンド/円!英中銀会合が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

<ノルゲバンク>日本時間17時に会合結果発表、17時30分からバーチェ総裁が会見
ノルゲバンクは前々回6月の政策会合で0.25%の利下げを実施しました、前回8月14日の会合では政策金利を4.25%に据え置いたものの、声明で「経済見通しは不透明なものの、経済がおおむね現在の見通しに沿って推移すれば、25年中に政策金利はさらに引き下げられるだろう」と表明しました。

本日の会合については、市場では0.25%の利下げが行われるとの見方が優勢なものの、政策金利は据え置かれるとの見方も一部にあるようです。そのため、利下げと据え置きのいずれの結果になっても、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナが反応する可能性があります。

ノルゲバンクの声明も材料になるかもしれません。前回会合の声明では、先行きの金融政策について「経済見通しは不透明なものの、経済がおおむね現在の見通しに沿って推移すれば25年中に政策金利はさらに引き下げられるだろう」との認識が示されました。仮に本日の会合で0.25%利下げすることが決定された場合、声明で今後の会合でさらに利下げする可能性が示されるのか注目です。

<SARB
>日本時間22時からクガニャゴ総裁が会見、会合結果発表
市場では政策金利は7.00%に据え置かれるとの見方が有力なものの、一部に0.25%利下げするとの見方もあります。そのため、どのような結果になっても南アフリカランドが反応する可能性があります。仮に政策金利が据え置かれた場合、南アフリカランドにとってのプラス材料になりそうです。

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BOC(カナダ中銀)は17日に政策会合を開き、0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を2.75%から2.50%へと引き下げました。利下げは3月以来4会合ぶりです。

BOCは声明で今回の利下げについて「(カナダ)経済が減速し、インフレの上振れリスクが低下していることから、今後のリスクをより均衡させるため」と説明。マックレム総裁は会合後の会見で「(前回)7月の会合以降、3つの進展によってリスクバランスが変化した」と述べました。

3つの進展としてマックレム総裁は(1)カナダの労働市場がさらに軟化した、(2)最近のデータは基調的なインフレに対する上昇圧力の緩和を示唆している、(3)カナダ政府が対米報復関税の多くを撤廃(※)したことでインフレの上振れリスクが低下した、ことを挙げました。

声明では先行きの金融政策について、前回7月会合時の「景気の減速がインフレにさらなる下押し圧力を加え、貿易の混乱による物価上昇圧力が抑制される場合、政策金利の引き下げが必要になる可能性がある」が削除されて、今回は「リスクと不確実性に特に注意を払いつつ、慎重に政策を進めていく」になりました。ただし、マックレム総裁は会見で「(今回の利下げによって)リスクが傾けば行動する用意があることを示した。リスクが一段と傾く場合、さらに行動する用意がある。会合ごとに判断していく」と語り、追加利下げに含みを持たせました。

BOCの次回会合は10月29日。OIS(翌日物金利スワップ)によれば、市場では追加利下げが行われる確率が4割程度織り込まれています。

(※)カナダ政府は9月1日、米国からの輸入品に課している報復関税のうち、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に準拠した製品に対する関税を撤廃しました。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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