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米雇用統計の年次基準改定に注目、メキシコCPI発表

2025/09/09 09:02

【ポイント】
・年次基準改定を受けて市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・メキシコCPIBOMの利下げ観測が後退するか

(欧米市場レビュー)

8日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は147.340円、米ドル/カナダドルは1.37876カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.17603ドル、英ポンド/米ドルは1.35515ドルへと上昇しました。FRB(米連邦準備制度理事会)による積極的な利下げ観測や米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルに対する下押し圧力となりました。米長期金利は一時4.03%へと低下し、4月上旬以来5カ月ぶりの低い水準をつけました。

も対米ドルを除いて軟調。一時豪ドル/円は97.393円、NZドル/円は87.726円へと上昇しました。石破首相が7日に辞任する意向を表明。日本の政局不透明感や、新政権で財政拡張的な政策がとられて財政赤字が拡大するとの懸念が、円の重石となりました。

フランスの議会下院はバイル内閣の信任投票を否決しました。ただ、信任投票が否決されることは事前に予想されていたためか、ユーロに大きな動きはみられませんでした。

本日の『ファンダメ・ポイント』は[フランス内閣不信任、政治不安はユーロ安要因?]です。

ノルウェーの議会選では、労働党を中心とする与党の中道左派連合が過半数の議席を確保して勝利したようです。

(本日の相場見通し)

米国の労働省は本日、今年3月までの1年間の雇用統計の年次ベンチマーク(基準)改定(速報値)を発表します(日本時間23:00)。

市場では、それで雇用者数が大幅に下方修正される(最大で100万人?)との見方があります。年次ベンチマーク改定がFRB(米連邦準備制度理事会)による積極的な利下げ観測(※)を一段と高める結果になれば、米ドルに対する下押し圧力はさらに強まりそう。その場合、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上昇すると考えられます。

(※)年内に開かれるFOMCは9月16-17日、10月28-29日、12月9-10日の3回。CMEのFedWatchツールによれば、FRBは全ての会合で0.25%利下げするとの見方が市場では優勢です。

***

メキシコの8月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間21:00)。その結果にメキシコペソが反応する可能性があります。

CPIの市場予想は、総合が前年比3.57%、食品・エネルギー・農畜産物などを除いたコアが同4.21%。総合は前月の3.51%から上昇率が高まる一方で、コアは前月の4.23%から鈍化するとみられています。BOM(メキシコ中銀)のインフレ目標は3%、許容レンジは2~4%です。

市場では、BOM(メキシコ中銀)は次回9月25次々回11月6の会合でそれぞれ0.25%の利下げを行うとの観測があります。CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOMによる利下げ観測が後退するかもしれません。その場合にはメキシコペソのプラス材料になりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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