米ベージュブック:景気は総じて軟調、雇用は横ばい・・・
2025/09/04 08:01
【ポイント】
・ベージュブックは、総じて景気や雇用の軟調を報告
・雇用統計やCPIがよほど強くなければ、9月利下げは確実か
・10月に2会合連続利下げはあるか
ベージュブック(地区連銀経済報告)は、総じて景気の軟調を報告。7月JOLTS(労働動態調査)では、求人件数が10カ月ぶりの水準まで減少しました。9月16-17日のFOMCでは0.25%の利下げがほぼ確実視されており、10月に2会合連続での利下げも五分五分とみられているようです。雇用統計を控えてやや強含んでいた長期金利(10年物国債利回り)も反落しました。
5日の8月雇用統計、11日の同CPI、16日の同小売売上高などがよほど強くない限り、利下げは確実とみられます。10月に2会合連続での利下げはあるのか。FOMC(参加者)からどんなメッセージが出されるでしょうか。
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ベージュブックによれば景気は総じて軟調、雇用は横ばい・・・

経済活動:
ベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、経済活動は12地区のうち8地区で前回報告(7月16日)からほとんど、あるいは全く変化なしでした。残り4地区ではわずかに拡大しました。
個人消費は低迷。多くの家計で賃金の伸びが物価上昇に追いついていないためでした。経済的な不透明感や関税がマイナス要因として頻繁に指摘されました。また、NY地区では、保険、公共料金、その他の支出の増加が消費を抑制していると報告されました。自動車販売は横ばい、あるいは小幅増加でした。部品や修理によって古い車を維持する動きが目立ちました。
製造業は(関税の影響もあり)、可能な限り国内のサプライチェーンにシフトしており、自動化によるコスト削減の動きもありました。AI利用のためのデータセンターの建設が数少ない、明るい材料でした。先行きについての見方には(前回と比べて)あまり変化はありませんでした。
労働市場:
雇用の水準について、11地区がほとんど、あるいは全く変化がないとし、1地区はわずかに減少したと報告しました。7地区では、需要の弱さや不透明感のために企業は採用に慎重でした。2地区では解雇の増加が報告され、複数地区で離職による雇用の減少が報告されました。
ほとんどの地区で求職者の増加が指摘されました。6地区では労働力となる移民の減少が報告され、とりわけ建設業で目立ったようです。賃金は6地区で緩やかに上昇、4地区でわずかに上昇、2地区で横ばいでした。
物価:
10地区で物価は緩やか、あるいはわずかに上昇。2地区では、投入コストの上昇が大きく、販売価格の上昇を上回りました。ほぼ全ての地区で関税関連の価格上昇が指摘され、とりわけ投入コストへの影響が大きかったようです。複数地区では、保険、公共料金、ITサービスの価格上昇も報告されました。
投入コストを全て顧客への価格に転嫁している企業がある一方で、値上げに慎重な企業もありました。2地区では、競争激化により値下げ圧力を受けているとの報告もありました。
・ベージュブックは、総じて景気や雇用の軟調を報告
・雇用統計やCPIがよほど強くなければ、9月利下げは確実か
・10月に2会合連続利下げはあるか
ベージュブック(地区連銀経済報告)は、総じて景気の軟調を報告。7月JOLTS(労働動態調査)では、求人件数が10カ月ぶりの水準まで減少しました。9月16-17日のFOMCでは0.25%の利下げがほぼ確実視されており、10月に2会合連続での利下げも五分五分とみられているようです。雇用統計を控えてやや強含んでいた長期金利(10年物国債利回り)も反落しました。
5日の8月雇用統計、11日の同CPI、16日の同小売売上高などがよほど強くない限り、利下げは確実とみられます。10月に2会合連続での利下げはあるのか。FOMC(参加者)からどんなメッセージが出されるでしょうか。
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ベージュブックによれば景気は総じて軟調、雇用は横ばい・・・

経済活動:
ベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、経済活動は12地区のうち8地区で前回報告(7月16日)からほとんど、あるいは全く変化なしでした。残り4地区ではわずかに拡大しました。
個人消費は低迷。多くの家計で賃金の伸びが物価上昇に追いついていないためでした。経済的な不透明感や関税がマイナス要因として頻繁に指摘されました。また、NY地区では、保険、公共料金、その他の支出の増加が消費を抑制していると報告されました。自動車販売は横ばい、あるいは小幅増加でした。部品や修理によって古い車を維持する動きが目立ちました。
製造業は(関税の影響もあり)、可能な限り国内のサプライチェーンにシフトしており、自動化によるコスト削減の動きもありました。AI利用のためのデータセンターの建設が数少ない、明るい材料でした。先行きについての見方には(前回と比べて)あまり変化はありませんでした。
労働市場:
雇用の水準について、11地区がほとんど、あるいは全く変化がないとし、1地区はわずかに減少したと報告しました。7地区では、需要の弱さや不透明感のために企業は採用に慎重でした。2地区では解雇の増加が報告され、複数地区で離職による雇用の減少が報告されました。
ほとんどの地区で求職者の増加が指摘されました。6地区では労働力となる移民の減少が報告され、とりわけ建設業で目立ったようです。賃金は6地区で緩やかに上昇、4地区でわずかに上昇、2地区で横ばいでした。
物価:
10地区で物価は緩やか、あるいはわずかに上昇。2地区では、投入コストの上昇が大きく、販売価格の上昇を上回りました。ほぼ全ての地区で関税関連の価格上昇が指摘され、とりわけ投入コストへの影響が大きかったようです。複数地区では、保険、公共料金、ITサービスの価格上昇も報告されました。
投入コストを全て顧客への価格に転嫁している企業がある一方で、値上げに慎重な企業もありました。2地区では、競争激化により値下げ圧力を受けているとの報告もありました。
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