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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※9月2日更新

2025/09/02 11:37

宮田レポート(短期アップデート) 250902_miyata.pdf

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YouTube 9月1日 エリオットView [進まないドル安 1ドル=151円も?]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 39,500~45,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 37,500~45,800ドル
            (S&P500) 5000~6550
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 20,000~24,000
                                   (ナスダック総合) 18,000~22,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
今年4月安値(30,792.74円)からインターミディエイト級第(5)波の上昇にあり、この第(5)波完成を以て、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)からのプライマリー第➂波は完成します。

第(5)波目には、➀企業業績や景気などファンダメンタルズは以前より弱め、➁平均出来高は少ない、➂中小型株が選好されやすい、➃先行きへの極端な楽観論、などの特長があります。現在は➀~➂は揃っていますが、➃の状況にあるとはまだいえないでしょう。
極言すれば、懐疑論が強い楽観論に置き換わらない限り第(5)波の強気相場は続くと思われます。
9~10月に日経平均が4万5000円~4万9000円を付けてもおかしくない、とみています。

4月第1週から8月第3週までの4カ月間で、海外投資家は現物を6.3兆円買い越し、最大の買い主体に躍り出ました。それに5.16兆円を買い越した事業法人が続きます。現物に加えて先物も1.80兆円買い越している海外投資家は、今後の相場の鍵を握る主体といえましょう

ちなみに、9月は例年株安になりやすい月ですが、仮に自民党総裁選が前倒しで実施されるなら、それは日経平均強気シナリオ実現に向けた大きなカタリストになる可能性があります。



【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
フィボナッチ比率からの目標価格➀は[3164]、目標価格➁は[3323]です。3130(8/18高値)から調整に入っていますが、直近安値3045(9/1)までの下げ率(2.7%)は、日経平均(4.65%)に比べて小さくなっています。これは建設、不動産、金融、情報通信など内需バリュー株の優位性をより印象付けるものです。短期的には25日MA[3032]付近で下げ止まるか注目されます。

[日経平均]
39,850円(8/4安値)以来、マイナー級・第5波の上昇が展開中であり、43,876円(8/19高値)からはマイニュート級・マルii波の調整とみられます。9月1日には一時41,835円まで下げ、最高値からの下げ幅は2000円に達しました。この日の安値はマルi波の上げ半値押し[41,863円]に相当しています。42,828円を抜くと、マルiii波の上昇開始が示唆されます。

引き続き下値試しが続くなら、マルi波の61.8%押し[41,388円]が下値メドとして注目できましょう。

フィボナッチ比率などから得られる(マイナー級)第5波の目標価格は以下の通りです。4万5000円処をクリアすると、次の大きな節目として4万9000円処に注目できます(ただし、そこまで上昇する必然性はありません)。[44,597円][45,230円][48,568円][48,896円][48,964円][49,074円]


[予想PER別の日経平均水準]
9月1日の日経平均予想PERは17.53倍・予想EPSは2406円。8月8日以来、16営業日連続でPER17倍台が続いています。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 (米株市場はレーバーデーで9月1日休場)
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級の第➄波です。今年4月安値からの上昇はインターミディエイト級第(5)波に当たり、それを以て第➄波は終了します。
第➄波完了後に訪れる弱気相場は、控えめにみても高値から20%安となるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「ランニング・トライアングル」におけるⓑ波とカウントされます。このシナリオでは、近々訪れるであろう下げ局面でも4月安値(36,611ドル)は維持されるでしょう。その後1~2年程度のもみ合いが続いた後に、新たな高値へ向かう展開があるでしょう。

足元、NYダウが45,757ドル(8/22高値)を以てピークを付けたかを見極める局面です。44,579ドル(8/21安値)を割ると弱気トリガー。調整局面入りが示唆されます。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
S&P500は1929年と2000年の高値を通る超長期レジスタンスラインに7月下旬に達し、足元まで同ライン付近で推移しています。前回の場合、S&P500は昨年12月初めに同ラインに到達し今年2月下旬まで3カ月近くレンジ相場を形成し、そこから4月底まで20%下げました。今回も同様なら、S&P500は10月頃まで今のような高値圏でのもみ合いが続いた後、急落が控えていることになります。

8月28日には一時6508と最高値を更新しました。もっとも、S&P500の高値更新は他の主要指数によって確認されていません。7月中旬からの上昇パターンは、強気トレンドの最終局面を意味する「エンディング・ダイアゴナル」の可能性があります。6343(8/20安値)を割ると弱気トリガー、調整入りが示唆されます。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。

(オルタナティブ・カウント)

4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートし、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。このⓒ波によりS&P500は、5400を下回る展開になりそうです。


[ダウ輸送株平均] (直近で最高値更新の)ダウ工業株平均と「未確認」続く


[マグニフィセント7] 4月から5波構成による上昇



[ナスダック]


【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当します。既に最高値を更新しており、第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。遠からず調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中ⓑ波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずⓒ波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもⓒ波の下げ幅はⓐ波のそれに対し62%~66%となり、ⓑ波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】

4月安値16,542からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波、あるいは、第(4)波「トライアングル」中ⓑ波とみられます。

8月13日高値・23,969は、フィボナッチ比率からの上値想定レンジ[23,195-24,224]内にあります。当面(あるいは長期的な)の高値を付けたか、付けつつあると思われます。

22,959(8/20安値)を下回ると最初の弱気トリガーが発動します。この場合、ナスダック100の目先下値メドは22,673です。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
16年半サイクルによれば、米ドル/円(ドル/円)は2028年4月頃まで「円高の時間帯」の中にあります。

今後数カ月、ドル/円はじり高の状態が続きそうです。
しかし、おそらく26年前半には139円処のネックラインを明確に割り込むでしょう。それをきっかけに、「サード・オブ・サード」の強いドル安・円高トレンドが鮮明になるでしょう。

なお28年4月頃までに、1ドル=125円~120円を付ける可能性が高い、と筆者はみています。

【週足 エリオット波動分析】 
今年1月からのドル安・円高は、第3波による下落とみることができます。これによれば、先々1ドル=120円試しが視野に入ります。第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。

139.877円(4/22)からのマルii波による上昇はまだ続いている、とみています。足元でトライアングルが形成されており、短期的にもドル/円は保ち合いから上放れるかもしれません(後述)。この場合、1ドル=151円処を試すことになりそうです。

中長期でのドル安・円高基調に変わりはなく、ヘッド・アンド・ショルダーズの垂直目標値からは、いずれ1ドル=120円割れの可能性もみえています。

【日足 エリオット波動分析】 
139.877円(4/22)からのドル/円上昇はマルii波によるリバウンドです。4月からの波形は複雑かつチョッピーなものであり、修正波としての特長をよく表しています。

筆者はマルii波が「トリプル・ジグザグ(w)-(x)-(y)-(x)-(z)」に発展するとみています。目先148.740円(8/22)を超えると、8月から形成したトライアングル上放れ開始の合図となるでしょう。この場合、ドル/円は[151.191円][151.586円](1月からの円高の61.8%戻り水準)や[154.353円](同76.4%戻り)などを試すでしょう。

一方、今後145円処を明確に下抜くと、マルii波が150.869円(8/1)を以て、既に終わった可能性を考慮する必要があるでしょう。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[141.156円]です。


投機筋の円買い持ち高は2週連続で拡大(2025年8月26日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の65.99億ドルから71.82億ドルへ2週続けて拡大しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
年初から半年近く続いたドル安C波は96.377(7/1)で終わった可能性が高い、とみています。
それは、22年高値からのジグザグ(A-B-C)の完成を意味するものです。

少し長い時間軸でみると、Ⓑ波は短くとも2028年頃まで続くでしょう。
この見方通りなら、7月からのドル高は(X)波に位置付けられます。Ⓑ波全体は「ダブル(トリプル)・ジグザグ」を描いていくでしょう。

ドル指数は、8月から11月まで強くなる季節性があります。ここからすると、2~3カ月はドル高傾向が続くとみられ、当面101.977(C波レッサーディグリー・マルiv波頂点)を目指すでしょう。

一方、今後97.109(7/24)を下回ると上記見通しは撤回され、C波中マルv波によるドル安局面入り、と判断されます。この場合は94.976を目指すでしょう。これは、A波とC波が等しく下がる水準のことです。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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