米ISM製造業景況指数、ユーロ圏消費者物価指数に注目!
2025/09/02 08:53
【ポイント】
・ISM製造業景況指数でFRBによる利下げ観測が一段と高まるか
・消費者物価指数でECBの金融政策に対する市場の見方が変化するか
・氷見野副総裁は追加利上げの時期についての手掛かりを提供するか
(欧米市場レビュー)
1日、欧米時間の外為市場は比較的落ち着いた展開。おおむね米ドル/円は146.800~147.300円、ユーロ/円は172.000~172.500円、ユーロ/米ドルは1.17000~1.17300ドル、英ポンド/米ドルは1.35100~1.35500ドルのレンジで上下動しました。米国とカナダがレーバーデーの祝日ということもあり、様子見ムードが漂いました。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の8月ISM製造業景況指数が発表されます(日本時間23:00)。その結果が材料になりそうです。
ISM製造業景況指数の市場予想は49.0と、前月の48.0から改善するものの、業況判断の分かれ目である50を引き続き下回るとみられています。仮に今回50を下回れば6カ月連続となります。
市場では、FRBは次回9月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げを行うとの見方が有力です。
ISM製造業景況指数が市場予想を下回る結果になれば、9月の利下げ観測が補強されるとともに、次々回10月28-29日のFOMCでの追加利下げ観測が高まる可能性があります。FRBによる利下げ観測が高まる場合、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルには下落圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わりそうです。米ドル/円の下値メドとして、8月14日安値の146.200円が挙げられます。
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ユーロ圏の7月消費者物価指数(HICP)速報値が本日発表されます(日本時間18:00)。
HICPの市場予想は、総合が前年比2.0%、食品やエネルギー・アルコール飲料・タバコを除くコアが同2.2%です。
ECB(欧州中銀)は24年6月以降、中銀預金金利(政策金利の1つ)を8回合計2.00%引き下げました。前回25年7月の理事会で中銀預金金利は据え置かれ、現在は2.00%です。市場では、ECBの利下げサイクルは終了したとの観測もあります。
本日発表されるユーロ圏のHICPが市場予想を上回る結果になれば、その観測が高まるとともに、ユーロにとってプラス材料になりそう。ユーロ/円やユーロ/英ポンドが堅調に推移すると考えられます。
※ユーロ/英ポンドのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/英ポンド、レンジワーク主体の相場付き]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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日銀の氷見野副総裁が道東地域金融経済懇談会(釧路市)に出席します。氷見野副総裁は日本時間10時30分からの懇談会であいさつし、14時から会見する予定です。
氷見野副総裁のあいさつや会見では、日銀の追加利上げの時期についてのヒントが提供されるかに注目です。会見などを受けて日銀による早期の追加利下げ観測が市場で後退するようなら、円が軟調に推移する可能性があります。
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