米国とカナダが祝日、外為市場では流動性が低下
2025/09/01 08:58
【ポイント】
・突発的なニュースが出てきた場合、値動きが増幅される可能性も
(欧米市場レビュー)
8月29日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は146.700円近辺、米ドル/カナダドルは1.37266カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.17034ドル、英ポンド/米ドルは1.35114ドルへと上昇しました。
米国の経済指標の弱い結果が米ドルの重石となりました。米国の8月シカゴ購買部協会景気指数は41.5、8月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)は58.2となり、いずれも市場予想(46.0と58.6)を下回りました。また、ミシガン大学消費者信頼感指数では、1年先のインフレ期待が4.9%から4.8%へ、5年先のインフレ期待が3.9%から3.5%へ、それぞれ速報値から下方修正されました。
米国の7月PCE(個人消費支出)デフレーターの結果は以下のとおり。( )は市場予想です。いずれも市場予想どおりの結果でした。
・総合(前月比):0.2%(0.2%)
・総合(前年比):2.6%(2.6%)
・コア(前月比):0.3%(0.3%)
・コア(前年比):2.9%(2.9%)
(本日の相場見通し)
本日は米国とカナダがレーバーデーの祝日です。外為市場では、全般的に様子見ムードが漂って比較的落ち着いた値動きになるかもしれません。
ただし、参加者が減少して外為市場の流動性が低下する分、突発的なニュース(例えばFRBに関するトランプ大統領の発言)が出てきた場合には、値動きが増幅される可能性があり注意は必要です。米国の株式市場や債券市場は休場です。
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今週は、米国の8月雇用統計(5日)や7月JOLTS(労働動態調査。3日)などの雇用関連指標のほか、8月ISM製造業と非製造業景況感指数(それぞれ2日と4日)など重要な経済指標が多く発表されます。
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回9月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げを行うとの見方が有力。CMEのFedWatchツールによると、米国時間8月29日時点で市場が織り込む9月の利下げ確率は約86%(政策金利据え置きの確率は約14%)です。
一連の米経済指標の結果を受けてFRBによる利下げ観測が補強される場合、米ドルは上値が重い展開になりそうです。
スウェーデンの8月CPI(消費者物価指数)速報値が4日に発表されます。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナはその結果が材料になる可能性があります。
スウェーデン中銀は前回8月20日の政策会合で政策金利を2.00%に据え置く一方で、声明で「25年中にさらなる利下げが行われる可能性が引き続きある」と表明しました。年内に開かれるスウェーデン中銀の会合は、9月23日・11月5日・12月18日です。市場では、11月あるいは12月に0.25%の追加利下げが行われるとの観測があります。
CPIの結果を受けてスウェーデン中銀の金融政策に対する市場の見方が変化するか注目です。
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