米PCEデフレーター、カナダGDPに注目
2025/08/29 09:20
【ポイント】
・米PCEデフレーターで市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・カナダGDPでBOCによる利下げ観測が変化するか
(欧米市場レビュー)
28日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は146.654円、米ドル/カナダドルは1.37413カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.16788ドル、英ポンド/米ドルは1.35251ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルに対する下押し圧力となりました。
米国の4-6月期GDP(国内総生産)改定値は前期比年率換算3.3%、先週分の新規失業保険申請件数は22.9万件と、いずれも市場予想(3.1%と23.0万件)と比べて良好な結果だったものの、市場は反応薄でした。
FRB(米連邦準備制度理事会)のクック理事は、トランプ大統領による解任は違法だとしてワシントンの連邦地方裁判所に提訴しました。
クック理事はまた、裁判所に対し解任の一時差し止め命令を求める申し立てを行いました。これに関する審理は米東部時間29日午前10時(日本時間同日午後11時)から行われる予定です。
※27日の『ファンダメ・ポイント』は、[クック理事解任騒動、債券自警団はどうする⁉]です。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の7月PCE(個人消費支出)デフレーターが発表されます(日本時間21:30)。その結果が材料になりそうです。
PCEデフレーターの市場予想は以下のとおり。( )は前月の実績です。コアは前年比で前月の2.8%から上昇率が高まると予想されています。
・総合(前月比):0.2%(0.3%)
・総合(前年比):2.6%(2.6%)
・コア(前月比):0.3%(0.3%)
・コア(前年比):2.9%(2.8%)
市場では、FRBは次回9月16-17日のFOMCで0.25%の利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによると、米国時間28日時点で市場が織り込む9月FOMCでの利下げ確率は約86%です。
PCEデフレーターが市場予想を上回る結果になれば、インフレ圧力の高まりが市場で意識されて、FRBによる利下げ観測が後退すると考えられます。その場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/円は上値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそうです。米ドル/円の上値メドとして、8月22日高値の148.740円が挙げられます。
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カナダの4-6月期GDPが本日発表されます(日本時間21:30)。その結果にカナダドルが反応する可能性があります。
マックレムBOC(カナダ中銀)総裁は前回7月の政策会合後の会見で「景気の減速がインフレにさらなる下押し圧力を加え、貿易の混乱による物価上昇圧力が抑制される場合、政策金利の引き下げが必要になる可能性がある」と述べました。
市場では、BOCは次々回10月29日の会合で0.25%の利下げを行うとの観測があります。
4-6月期GDPの市場予想は前期比年率換算マイナス0.6%と、カナダ経済はマイナス成長に陥ると見られています。仮にマイナス成長になれば、23年7-9月期以来です。
GDPが市場予想と比べて弱い結果になれば、BOCによる利下げ観測が高まる可能性があります。その場合、カナダドルにとってマイナス材料になりそうです。
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