BOEは0.25％利下げしたものの英ポンドは堅調

【ポイント】
・BOE（英中銀）は僅差で利下げを決定
・カナダ雇用統計で市場のBOC金融政策見通しが変化するか
・メキシコ中銀は利下げ決定、次回9月会合での追加利下げに含み

（欧米市場レビュー）

7日、欧米時間の外為市場では英ポンドが堅調に推移。一時英ポンド/円は197.951円、英ポンド/米ドルは1.34430ドルへと上昇し、ユーロ/英ポンドは0.86617ポンドへと下落しました。BOE（英中銀）は0.25％の利下げを行うことを決定。政策金利を4.25％から4.00％へ引き下げました。その結果は市場予想どおりだったものの、僅差で利下げが決定されたことなどが英ポンドの支援材料となりました。

※詳しくは、 本日の『ファンダメ・ポイント』[英中銀は僅差で利下げ、追加利下げは微妙!?]
をご覧ください。

米ドルはNY時間午後に軟化しました。トランプ米大統領は自身のSNSで「空席となるFRB（米連邦準備制度理事会）理事にCEA(大統領経済諮問委員会）のスティーブン・ミラン委員長を指名する」と発表。ミラン氏がFRB理事に就任すれば、トランプ大統領の意向に沿ってFOMC（米連邦公開市場委員会）で利下げを支持するとの観測が、米ドルの重石となりました。

クーグラーFRB理事が8日付で辞任します。トランプ大統領によると、ミラン氏の任期はクーグラー氏の残りの任期である26年1月31日までで、その間に正式な理事を探すとのこと。ミラン氏がFRB理事に就任するには上院の承認が必要です。

BOM（メキシコ中銀）は0.25％の利下げを行うことを決定。政策金利を8.00％から7.75％に引き下げました（＊詳細は後述）。

（本日の相場見通し）

本日は、カナダの7月雇用統計が発表されます（日本時間21:30）。その結果にカナダドルが反応しそうです。

雇用統計の市場予想は、失業率が7.0％、雇用者数が前月比1.35万人増。失業率は6月の6.9％から上昇し、雇用者数は8.31万人増と高い伸びだった前月から増加ペースが鈍化するとみられています。

BOC（カナダ中銀）は、24年6月から25年3月にかけて７会合連続合計2.25％の利下げを実施。その後は3会合連続で政策金利を2.75％に据え置いています。

市場では、BOCは次回9月17日の会合でも政策金利を据え置くとの見方が有力。OIS（翌日物金利スワップ）によると、市場が織り込む次回会合の確率は、据え置きが約7割、0.25％の利下げが約3割です。

カナダの雇用統計が市場予想に反して強い結果になれば、政策金利の据え置き観測が一段と高まりそうです。その場合にはカナダドルにとってプラス材料となり、米ドル/カナダドルには下落圧力が、カナダドル/円には上昇圧力が加わると考えられます。

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本日は、米国の主要な経済指標の発表はありません。FRBによる利下げ観測（※）やFRB理事にミラン氏が指名されたことが引き続き重石となり、米ドルは上値が重い展開になる可能性があります。

（※）CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む次回9月16-17日のFOMCでの利下げ確率は約92％です（米国時間7日時点）。

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BOM（メキシコ中銀）は7日に政策会合を開き、0.25％の利下げを行うことを決定。政策金利を8.00％から7.75％に引き下げました。利下げは9会合連続で、24年3月以降10回目。利下げ幅は直近4会合のそれぞれ0.50％から縮小されました。

0.25％利下げするとの決定は4対1の賛成多数で、ヒース副総裁が6月の会合に続いて政策金利の据え置きを主張して反対しました。

BOMの声明における先行きの金融政策に関する部分は、前回6月会合と同じ。声明では「政策金利のさらなる調整を検討する」と改めて表明され、次回9月25日の会合で追加利下げを行う可能性が示されました。