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米FOMCやBOC会合に注目! 豪ドルは豪CPIに反応しそう

2025/07/30 08:44

【ポイント】
・パウエルFRB議長は引き続き早期の利下げに慎重な姿勢を示すか
BOCの声明や総裁会見で先行きの金融政策についてどのようなヒントが提供されるか
・豪州の4-6月期CPIRBAの利下げ観測が高まるか

(欧米市場レビュー)

29日、欧米時間の外為市場ではユーロが軟調に推移。一時ユーロ/円は171.046円、ユーロ/米ドルは1.15175ドル、ユーロ/英ポンドは0.86406ポンドへと下落しました。米国とEU(欧州連合)は27日に貿易交渉で合意したものの、市場ではその内容が引き続きユーロの重石となったようです。

※米国とEUの合意内容について詳しくは、29日の『ファンダメ・ポイント』[関税合意、ユーロ安の理由は?]をご覧ください。

米国と中国はストックホルムで閣僚級による貿易協議を行いました。中国の通商交渉官の李成鋼氏は会見で、相互関税の上乗せ分の停止期限を8月12日から延長することで合意したと述べました。一方、米国のベッセント財務長官は「まだ技術的な詳細を詰める必要がある」と述べ、「停止期限延長の最終決定権はトランプ大統領にある」と語りました。

(本日の相場見通し)

本日は、FOMC(米連邦公開市場委員会)BOC(カナダ中銀)の政策会合が開かれます。それらの結果に市場が反応しそうです。

<FOMC>日本時間31日午前3時に結果発表、同3時30分からパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見

FRBは24年9月から12月に3会合連続で利下げを実施した後、政策金利を4.25~4.50%に据え置いています。市場では、政策金利は今回も据え置かれることがほぼ確実視されています。

そのとおりの結果になれば、FOMCの声明やパウエル議長の会見が材料になりそうです。市場では、次回9月16-17日のFOMCで利下げが行われるとの観測があります。パウエル議長が会見で引き続き早期の利下げに慎重な姿勢を示せば、FRBによる利下げ観測が後退しそうです。その場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/円には上昇圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには下落圧力が加わると考えられます。米ドル/は引き続き200日移動平均線(7/29時点で149.574円)が上値メドです。

<BOC>日本時間30日午後10時45分に結果発表、同11時30分からマックレム総裁が会見
市場では、政策金利は現行の2.75%に据え置かれると予想されています。

そのとおりの結果になれば、BOCの声明や総裁会見で先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。

マックレム総裁は前回6月4日の会合の後の会見で、「米国の関税と不確実性に引き続き直面する中で(カナダ)経済が弱含み、インフレに対するコスト圧力が抑制されれば、政策金利の引き下げが必要になる可能性がある」と述べました。その認識に変化がみられるのかどうか。

市場では、次回9月17日の会合でも政策金利は据え置かれるとの見方が有力です。声明やマックレム総裁の会見でその観測を高める内容になれば、カナダドルが堅調に推移しそうです。

※カナダドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』 [カナダドル/円、下値固め模索の時間帯!BOC会合が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページのログインが必要です)。

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豪州の4-6月期CPI(消費者物価指数)が発表されます(日本時間10:30)。その結果に豪ドルが反応しそうです。

4-6月期CPIの市場予想は前年比2.2%、RBA(豪中銀)がコアインフレ率として注視するCPIトリム平均値が同2.7%。上昇率はいずれも1-3月期(2.4%と2.9%)から鈍化するとみられています。RBAのインフレ目標は2~3%です。

市場では、RBAは次回8月11-12日の政策会合で0.25%の利下げを行うとの見方が優勢。OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む8月の利下げ確率は8割強です。

4-6月期CPIが市場予想を下回る結果になれば、RBAによる利下げ観測が一段と高まるとともに、豪ドルが軟調に推移しそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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