マネースクエア マーケット情報

米中貿易協議や米経済指標に注目

2025/07/29 08:41

【ポイント】
・米国と中国は相互関税上乗せ分の停止期限延長で合意するか

(欧米市場レビュー)

28日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は148.529円、米ドル/カナダドルは1.37376カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.15841ドル、英ポンド/米ドルは1.33481ドル、豪ドル/米ドルは0.65107米ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。

ユーロは軟調。ユーロ/円は172.063円、ユーロ/英ポンドは0.86650ポンドへと下落しました。米国とEU(欧州連合)は27日に貿易交渉で合意したものの、市場ではその内容が嫌気されたようです。

※詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[関税合意、ユーロ安の理由は?]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

米国と中国は28日、ストックホルムで閣僚級による貿易協議を行いました。協議には、米国のベッセント財務長官や中国の何立峰副首相らが参加しました。

閣僚級協議は本日も行われる予定です。協議では、8月12日に期限を迎える相互関税の上乗せ分の停止措置が延長されるかどうかが焦点になりそうです。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは27日、関係者の話として「米中は閣僚級協議で、(8月12日からさらに)90日間の延長で合意する見通しだ」と報じました。

両国が閣僚級協議で停止期限の90日間以上の延長で合意すれば、市場ではリスクオン(リスク選好)が強まりそうです。その場合にはが軟調に推移して、豪ドル/円やNZドル/は上値を試す展開になる可能性があります。

※NZドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[NZドル/円、遅行スパンの動向に要注目!]をご覧ください。

***

米国の6月JOLTS(労働動態調査)求人件数7月消費者信頼感指数が本日発表されます(いずれも日本時間23:00)。それらの結果に市場が反応する可能性があります。

市場予想は以下のとおり。( )は前回の実績です。
・JOLTS求人件数:750.0万件(776.9万件)
・消費者信頼感指数:96.0(93.0)

市場は、次回7月29-30日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利は現行の4.25~4.50%に据え置かれることをほぼ確実視。次々回9月16-17日のFOMCについては、0.25%の利下げが行われるとの見方が優勢のようです。CMEのFedWatchツールによると、米国時間28日時点で市場が織り込む利下げ確率は、7月が約3%、9月までで約65%です。

JOLTS求人件数や消費者信頼感指数が市場予想を上回る結果になれば、FRBの利下げ観測が後退するかもしれません。利下げ観測が後退する場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下落しそう。米ドル/は、200日移動平均線(7/28時点で149.586円)が上値メドです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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