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ECB理事会にユーロ、TCMB会合にトルコリラが反応か

2025/07/24 09:00

【ポイント】
ECB(欧州中銀)総裁は先行きの金融政策についてどのようなヒントを示すか
TCMB(トルコ中銀)はどの程度利下げするか

(欧米市場レビュー)

23日、欧米時間の外為市場ではユーロが堅調に推移。一時ユーロ/円は172.674円、ユーロ/米ドルは1.17697ドルへと上昇しました。「米国は対EU(欧州連合)関税を15%とすることでEUと合意する可能性がある」との報道がユーロの支援材料となりました。トランプ米大統領は12日、EUに対する関税率を30%にすると発表していました。

(本日の相場見通し)

トランプ大統領は23日(日本時間24日朝)、「EUと真剣な協議中だ。米企業への市場開放に同意するなら、EUにはより低い関税を課す」と述べました。また、「中国との合意をまとめている最中だ」とも語りました。

米国の貿易交渉をめぐるニュースに引き続き注目です。貿易交渉で米国と合意した国や地域が新たに出てくれれば、その国・地域の通貨が堅調に推移する可能性があります。

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本日は、ECB(欧州中銀)理事会TCMB(トルコ中銀)の政策会合が開かれます。それらの結果が材料になりそうです。

<ECB>日本時間21時15分に結果発表、同21時45分から総裁会見
ECBは前回6月5日の理事会まで7回連続(24年6月以降では8回)で利下げを実施。政策金利は現在、ECBが最も重視している下限の中銀預金金利が2.00%、残りの2つ、主要リファイナンス金利が2.15%、限界貸出金利が2.40%です。

ECBは追加利下げに慎重な姿勢です。ラガルド総裁は7月4日のインタビューで政策金利について「良好な位置にある」と述べ、シュナーベル専務理事は11日に「政策金利は適切な水準にあり、追加利下げのハードルは非常に高い」と語りました。市場では本日の理事会で政策金利は据え置かれると予想されています。

そのとおりの結果になれば、ECBの声明やラガルド総裁の会見が材料になりそう。それらでは、9月以降の金融政策についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。

前回6月の理事会後の会見でラガルド総裁は、「新型コロナ、ウクライナ戦争、エネルギー危機などに対応してきた金融政策のサイクルは終わりに差し掛かっている」、「現在の政策金利は今後の不確実な状況を乗り切るうえで適切な水準にある」などと述べました。

市場では、ECBは早ければ次回9月11日の理事会で追加利下げを行うとの観測もあるようです。声明やラガルド総裁の会見を受けてECBの追加利下げ観測が後退する場合、ユーロが堅調に推移しそう。ユーロ/英ポンドは、4月11日高値の0.87327ポンドが上値メドです。

※ユーロ/米ドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/米ドル、ラガルド総裁発言が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

<TCMB>日本時間20時に結果発表、総裁会見なし
TCMBは本日の会合で利下げを行うとの見方が大勢です。ただ、利下げ幅について市場の見方は1.50%~3.50%の間で割れているため、TCMBがどのような決定をしてもトルコリラが反応する可能性があります。仮に利下げが行われたとしても、その幅が市場予想の中央値である2.50%よりも小さければ、トルコリラはそれほど下落しないかもしれません。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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