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【アップデート】英GDPや鉱工業生産、カナダ雇用統計発表!

2025/07/11 09:29

トランプ米大統領は10日(日本時間11日午前9時過ぎ)、「カナダからの輸入品に35%の関税を8月1日から課す」との書簡を公表。それを受けてカナダドルが急落しました。

以下は午前8時54分配信のレポートです。
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【ポイント】
・カナダ雇用統計で市場のBOC利下げ観測が変化するか
・英GDPや鉱工業生産で同国景気への懸念が強まるか

(欧米市場レビュー)

10日、欧米時間の外為市場では米ドルが強含み。一時米ドル/円は146.741円、米ドル/カナダドルは1.37038カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.16587ドル、英ポンド/米ドルは1.35340ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)の上昇や、同国の先週分の新規失業保険申請件数が22.7万件と市場予想の23.5万件と比べて強い結果だったことが、米ドルの支援材料となりました。

ただその後、米長期金利が上昇幅を縮小すると米ドルは反落しました。

ノルウェーの6月CPI(消費者物価指数)は前年比3.0%、コアインフレ率のCPI-ATE(税制改革の影響やエネルギーを除いた基礎)は同3.1%でした。CPIは市場予想の3.1%を下回る一方で、CPI-ATEは市場予想の3.0%を上回り、マチマチの結果になりました。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[NOK/SEK:リクスとノルゲの金融政策見通し]です。

(本日の相場見通し)

本日は、カナダの6月雇用統計が発表されます(日本時間21:30)。その結果にカナダドルが反応しそうです。

雇用統計の市場予想は失業率が7.1%、雇用者数が前月比0.0万人。失業率は、コロナ禍の20年と21年を除いて16年9月以来の高水準だった5月の7.0%から悪化するとみられています。5月の雇用者数は前月比0.88万人増でした。

BOC(カナダ中銀)は24年6月から25年3月まで7会合連続で利下げを実施。その後、4月・6月と2会合連続で政策金利を2.75%に据え置きました。

マックレムBOC総裁は前回6月会合後の会見で「米国の関税と不確実性に引き続き直面する中で(カナダ)経済が弱含み、インフレに対するコスト圧力が抑制されれば、政策金利の引き下げが必要になる可能性がある」と述べ、追加利下げに含みを持たせました。

市場では、BOCは次回7月30日の会合で政策金利を据え置いて、次々回9月17日の会合で追加利下げを行うとの観測があります。

雇用統計が市場予想と比べて弱い結果になれば、BOCの追加利下げ観測が高まりそう。その場合にはカナダドルのマイナス材料になると考えられます。米ドル/カナダドルの上値メドは、6月23日高値の1.37934カナダドルです。

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英国の5月GDP(国内総生産)や5月鉱工業生産が本日発表されます(いずれも日本時間15:00)。

市場予想は以下のとおり。( )は前回の実績です。
・GDP(前月比):プラス0.1%(マイナス0.3%)
・鉱工業生産(前月比):0.0%(マイナス0.6%)
・鉱工業生産(前年比):プラス0.1%(マイナス0.3%)

GDPや鉱工業生産が市場予想を下回る結果になれば、英景気の先行きへの懸念が市場で強まるとともに、英ポンドが軟調に推移するかもしれません。ユーロ/英ポンドは、4月11日高値の0.87327ポンドに向かって上昇する可能性があります。

※英ポンド/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[英ポンド/円、中長期スパンでの「買いサイン」が出現か]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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