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【PM】RBAは政策金利を据え置き! サプライズで豪ドル上昇

2025/07/08 16:22

【ポイント】
・市場は0.25%の利下げが行われると予想していた
・4-6月期CPIの結果によっては次回8月会合で利下げか

RBAは本日政策会合を開き、政策金利を3.85%に据え置くことを決定しました。市場では、0.25%の利下げが行われると予想されていたため、RBAの決定を受けて豪ドルが上昇しました。

ただし、RBAの声明やブロック総裁の会見をみると、7月30日発表の豪州の4-6月期CPI(消費者物価指数)の結果次第では次回8月11-12日の会合で利下げが行われるかもしれません。

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RBAは声明で、政策金利の据え置きについて「インフレ率が持続可能な形で(目標中間値の)2.5%に到達する軌道にあることを確認するため、もう少し情報を待つことができると判断した」と説明。そう判断した背景として、政策金利が年初から0.50%低下したこと、豪経済がおおむね予想通りに推移していることを挙げました。

政策メンバーによる投票の内訳が公表されました(これまでは公表されず)。会合では6人が据え置きに賛成して3人が反対し、メンバーの意見が割れました。反対した3人は利下げを主張したとみられます。

声明はまた、「インフレに関するリスクはより均衡し、労働市場は引き続き堅調だと判断している」としつつ、「総需要と総供給の両面で不確実性が高まっていることから、先行きについては慎重な姿勢を維持する」と改めて表明。「国際情勢が豪州の経済活動とインフレに重大な影響を及ぼす場合、金融政策は断固として対応できる態勢にある」としました。

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ブロック総裁は会合後の会見で、「(今年に入ってから)すでに0.50%の利下げを実施しており、その影響はまだ続く」との認識を示し、「緩和(追加利下げ)について慎重で段階的な姿勢が適切だ」と述べました。

豪州の5月CPIでトリム平均値は前年比2.4%と、上昇率は前月の2.8%から鈍化し、21年11月以来の低水準となりました。その結果を受けて今回の会合での利下げ観測が市場で高まりました。そのことについてブロック総裁は「CPIに対するRBAの解釈は市場とは異なっていた」と述べ、「月次CPIは変動が激し過ぎる」と指摘。インフレ統計において月次CPIよりも四半期CPIを重視する姿勢を示しました。

ブロック総裁はまた、会合で政策メンバーの投票が分かれたことについて「意見の相違は政策金利の方向ではなく、追加利下げのタイミングだ」と強調。「RBAは緩和の道筋にあり、問題はタイミングだ」と繰り返しました。「インフレ率が引き続き鈍化すれば政策金利を引き下げるだろう」と述べました。
八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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