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米雇用統計で米ドルが堅調、米ドル/円は一時145円台

2025/07/04 09:15

【ポイント】
・米雇用統計の強い結果が市場で引き続き意識されるか
・トランプ関税について新たなニュースが出てくるか
OPECプラス8カ国は6日に会合を開催、8月の生産量はどうなるか

(欧米市場レビュー)

3日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は145.187円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.17157ドル、英ポンド/米ドルは1.35871ドル、豪ドル/米ドルは0.65294米ドルへと下落しました。米国の6月雇用時計は失業率が4.1%、非農業部門雇用者数が前月比14.7万人増と、いずれも市場予想(4.3%と11.0万人増)と比べて強い結果でした。それを受けてFRB(米連邦準備制度理事会)による追加利下げ観測が市場で後退し、米ドルの支援材料となりました。

※米雇用統計については、本日の『ファンダメ・ポイント』[米雇用統計:ヘッドラインは堅調で、利下げ観測はやや後退⁉]にて解説していますので、ご覧ください。

米議会下院は、トランプ減税を実現するための予算調整法案(OBBBA)を可決しました。同法案はすでに上院を通過しているため、トランプ大統領が署名すれば成立します。トランプ大統領は自身のSNSで、米東部時間4日午後4時(日本時間5日午前5時)からホワイトハウスで署名式を行うと表明しました。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[【速報】トランプ減税成立へ]です。

(本日の相場見通し)

米雇用統計の強い結果を受けて市場ではFRBによる追加利下げ観測が後退しました。

CMEのFedWatchツールによると、米国時間3日時点で市場が織り込む利下げ確率は、次回7月29-30日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で約5%、次々回9月16-17日のFOMCまでで約7割。前日の2日時点の確率は、それぞれ約24%と約94%でした。

本日は、米国の主要な経済指標の発表はなく、米雇用統計の結果が引き続き市場で意識されれば、米ドルが底堅く推移しそうです。米ドル/円の目先の上値メドとして、90日移動平均線(4日時点で145.581円)が挙げられます。

トランプ政権による相互関税の上乗せ分の適用停止期限は9日です。トランプ大統領は3日(日本時間4日朝)、関税の対象国に対して関税率を示した書簡をおそらく4日から送付すると述べました。トランプ政権による関税について新たなニュース(具体的な関税率など)が出てくれば、市場が反応する可能性があります。

本日は、米国が独立記念日の祝日です。外為市場では参加者が減少して流動性が低下するため、突発的なニュースが出てきた場合には値動きが増幅される可能性があります。米国の株式市場や債券市場は本日休場です。

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OPECプラス(※1)のうち自主的に原油の追加減産を行っている8カ国(※2)は6に会合を開き、8月の生産量を決定します。

この8カ国は4月から自主減産の縮小(増産)を開始しており、4月は日量13.8万バレル、5月・6月・7月はそれぞれ同41.1万バレル増産しました。

6日の会合については、直近3カ月と同じく41.1万バレルの増産が決定されるとの報道があります。会合の結果が7日以降の原油価格の動向に影響を及ぼす可能性があり、仮に原油価格が下落を続ける場合、ノルウェークローネカナダドルのマイナス材料になりそうです。

(※1)OPEC(石油輸出国機構)加盟12カ国と非加盟11カ国の合計23カ国で構成

(※2)サウジアラビア、ロシア、イラク、UAE(アラブ首長国連邦)、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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