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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※6月27日更新

2025/06/27 10:17

宮田レポート(短期アップデート)250627_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 36,500~42,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 36,500~43,000ドル
            (S&P500) 4700~6250
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 20,000~23,000
                                    (ナスダック総合) 18,000~20,500
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~100.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】

日経平均は、重要サポートとしての200週MAを上回って推移しています。同MAを今後も維持する限り、プライマリー上昇➂波は依然継続中とみられます。

日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇が進行中です。この第(5)波は、20年3月コロナショック底(16358.19円)からのラリー中「最後の上昇」に相当します。
順当にいけば、第(5)波は24年7月高値(42,426.77円)を上抜き史上最高値を更新するでしょう。

ちなみに第(5)波の始点(4月7日)からの比較では、以下の業種がTOPIXを上回るパフォーマンスを示しています(TOPIX-17業種が対象)。
➀機械、➁銀行、➂電機・精密、➃鉄鋼・非鉄、➄金融(除く銀行)、⑥情報通信・サービス他
上昇トレンドの第5波において物色範囲は狭まる傾向があります。直近まで好調だった業種・銘柄はさらに上がりやすく、これら上位業種の顔ぶれは第(5)波が続く中では大きく変わらないでしょう。

他にも、第5波で典型的な特長として、売買高・売買代金の減少、大型株から中小型株へのシフト、などがあげられます。




【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
200日MAを明確に上回っての推移が続きます。TOPIXは上昇基調の200日MAをサポートに、引き続き年初来高値2821.90(3/26)を試す地合いが続くでしょう。
年初来高値を更新すると、いよいよ24年7月の過去最高値(2946.60)試しが視野に入ります。

[日経平均]
昨年8月「令和のブラックマンデー」(8/5)以来では、3万8000円~3万9500円での取引量が特に多くなっていましたが、6月26日には同価格帯を突破することに成功しました。
出来高の「真空地帯」に入ったことにより戻り売り圧力が低減し、日経平均の上昇が今後一段と加速する可能性があるでしょう。当面の想定レンジは[39,681円-40,671円]です。
なお6月27日は配当落ち日です。配当落ち予想は49.43円となっています。


[予想PER別の日経平均水準]
6月26日の日経平均予想PERは15.66倍・予想EPSは2527円。
過去最高のEPSは2564円(2/13)です。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
6月26日は一時43,430ドルまで上昇し、4カ月ぶり高値となりました。

(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの(B)波による上昇は今年1月高値(45,054ドル)で終わり、以来、C波による下落局面です。今はC-(2)波が完了するかを見極める局面です。今後はC-(3)波の下げにより、4月安値(36,611ドル)を大きく下回る展開が想定されます。

(オルタナティブ・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)以来の五波構成による上昇(=プライマリー級第➄波)は、今年4月安値から最後の上昇(=インターミディエイト級第(5)波)が進行中です。

通常、第(5)波は高値を更新するものですが、今回のケースでは、諸々の事情がそれを許さないかもしれません(ダウ輸送株平均や公共株平均など、先行して弱気相場入りの可能性が高い)。第(5)波が短縮される可能性に留意したいところです。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6月26日には一時6146.52まで上昇、2月高値の6147.43に肉薄しています。これら二つの高値で「ダブル・トップ」となるか目先注目です。

4月安値からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、5767(5/23安値)からの上昇パターンは「(拡大)エンディング・ダイアゴナル」と思われます。これは最終高値の接近と、その後の急反落の可能性を示しています。5943(6/23安値)を割るとトレンドの下方転換が示唆され、指数は速やかに5767へ下落する可能性があります。



[ダウ輸送株平均] 半値戻り水準でもみ合い


[マグニフィセント7] エンディング・ダイアゴナル



[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
6月25日にナスダック100は過去最高値を更新、翌26日には一時22,466まで上昇しました。
ただし今のところナスダック100の高値更新は、ナスダック総合指数によっては確認されていません。ナスダック総合指数の6月26日高値(20,187)は、24年12月高値(20,204)にあと少し足りません。

今回より波動カウントを変更します。
ナスダック100は4月安値(16,542)から、第(5)波による上昇にあるとみられます(注)。

そしてこの第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。
理由のひとつに、米長期金利の動向があげられます。米10年長期金利は23年10月以来の強気トライアングルをほぼ完成しており、近々、金利上昇トレンドが始まるとみられます。
この見方が正しければ、今後数カ月内にも長期金利は5.0187%をブレイクするかもしれません。多くの人にとって予期せぬ金利の上昇は、株式相場に(ハイテク株を中心に)相応の打撃を与えるでしょう。

(注)この波動カウントは、第(2)波に比べ第(4)波が例外的に大きく両者のバランスが取れていない点が難点といえます。波動カウントは他にも考えられますが、複数の選択肢のうち現状ベターなカウントとして採用します。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
最高値更新に伴い、従来オルタナティブとしていた波動カウントを、今後は優先カウントに採用します。
2月から4月までの下落は三波構成(A-B-C)であり、4月安値16,542からの上昇はインターミディエイト級第(5)波とみられます。

第(5)波は5つの副次波(1-2-3-4-5)で構成され、21,532(6/24安値)からは第5波が進行しているとみられます。フィボナッチ比率からは、第5波想定レンジとして[23,195-24,224]が導かれ、現在の水準から3%~8%の上昇余地があります。

一方21,532を下回ると最初の弱気トリガー発動となり、ナスダック100が長期的な高値を付けたことが示唆されます。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀137.190円(7月)がサポートレベルとみられます。

もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから明確に下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試すと思われます。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は117.560円(7月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドが進行中です。このC波は(先ずは)三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

今年1月からのドル安・円高を、第3波による下落とみることもできます。現時点でサブシナリオですが、これによれば、先々1ドル=120円試しが視野に入ります。第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。

日足分析で書いたように、ドル/円は当面、149円台~151円台を試す可能性があります。それに加え、ドルインデックスのリバウンドが近いことを考え合わせると、ドル/円がネックラインの140円処を下回り、円高が強まる時期は想定よりも後ろ倒しになりそうです。

もっともドル安・円高の基調自体に変わりはなく、ヘッド・アンド・ショルダーズの垂直目標値からは、いずれ1ドル=120円割れの可能性もみえています。

【日足 エリオット波動分析】 
139.877円(4/22)以来のマルii波によるリバウンドは、「ダブル・ジグザグ」(w)-(x)-(y)により継続中とみられます。ダブル・ジグザグの中間波・(x)波「トライアングル」は142.740円(6/13)で完成し、そこからは、ジグザグ(a-b-c)による(y)波の上昇に位置付けられます。

足元の円高はb波であり、それは142.740円を下回ることなく終了し、まもなく(y)-c波によるドル高円安が始まるでしょう。それは順当なら148.610円(5/12)を上回り、[149.351円](1月からのドル/円下落の半値戻り水準)を試す可能性があります。この近くには200日MA(149.690円)が控えます。
さらに200日MAを上回ると、(w)波と(y)波が等しく上がる水準[151.473円]への道が開かれます。

ただし142.740円を下回ると上記見通しはキャンセルされます。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[144.030円]です。


投機筋の円買い持ち高が7週続けて縮小(2025年6月17日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の124.5億ドルから112.6億ドルへ7週続けて縮小しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]



【エリオット波動分析】 
110.176(1/13高値)からはC波によるドル安が進行中。C波の副次波(マルi~マルv波) のうち、101.977(5/12高値)からのドル安はマルv波に相当します。マルv波は「エンディング・ダイアゴナル」を形成しており、ドル安終了と急激なドル高が接近していることが示唆されています。

6月26日には一時96.997へ下落。3年6カ月ぶりドル安となりました。

日足をみると、マルv波の副次波は第(v)波まですべて揃っていることがわかります。波動の内部構造から、ドル安は最終局面にあると思われます。

ちなみに現行カウントにおける第(v)波の下限は96.542です。この水準を一時的にも下回るとマルv波-第(iii)波が最短となり、「ダイアゴナル」という見方が成立しません。そうなると波動カウントの修正が必要です。この場合のドル下値目標は、94.976(A波とC波が等しく下がる水準)となります。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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