NZ中銀会合に注目! 0.25%の利下げか
2025/05/28 08:28
【ポイント】
・総裁会見などでNZ中銀の先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるか
・FOMC議事録で市場のFRB金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
27日、欧米時間の外為市場では円が軟調に推移。一時米ドル/円は144.407円、ユーロ/円は163.887円、英ポンド/円は195.558円、豪ドル/円は93.031円へと上昇しました。「(日本の)財務省が25年度の国債発行計画を再検討する。投資家の需要次第では超長期国債の減額も視野に入れる」と報じられました。これを受けて本邦の超長期金利が低下(国債価格は上昇)し、円に対する下押し圧力となりました。
米ドルは堅調。一時米ドル/カナダドルは1.38309カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.13223ドル、英ポンド/米ドルは1.34988ドル、豪ドル/米ドルは0.64346米ドルへと下落しました。米国の5月消費者信頼感指数が98.0と、市場予想の87.2を上回ったことが、米ドルの支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
本日は、RBNZ(NZ中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間午前11時に発表され、その1時間後の12時からホークスビー総裁が会見する予定です。これらにNZドルが反応しそうです。
RBNZは前回4月9日の会合まで5回連続合計2.00%の利下げを実施しており、現在の政策金利は3.50%です。
市場では、本日の会合で0.25%の追加利下げが決定されると予想されています。その通りの結果になれば、RBNZの声明や会合の議事要旨、四半期に一度の金融政策報告の中で示される政策金利見通し、そしてホークスビー総裁の会見が材料になりそうです。それらでは、次回7月会合以降の金融政策についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。
前回2月の金融政策報告では、政策金利は26年1-3月期に3.10%まで低下し、その後は見通し期間最後の28年1-3月期まで同水準に据え置かれるとの見通しが示されました。
市場では、7月~12月末までにさらに合計0.50%(0.25%×2回)の利下げが行われるとの観測があります。RBNZの政策金利見通しなどを受けて追加利下げ観測が後退すれば、NZドルにとってプラスになりそう。NZドル/円やNZドル/米ドルは堅調に推移し、豪ドル/NZドルは軟調に推移する可能性があります。NZドル/円は、200日移動平均線(27日時点で87.778円)が上値メドです。
※NZドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[NZドル/円、RBNZ会合が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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本日はまた、昨日27日に続いて日銀金融研究所主催の「国際コンファランス」が開かれます。
本日のコンファランスでは、氷見野日銀副総裁とウィリアムズNY連銀総裁の討論会が行われ、ウォラーFRB(米連邦準備制度理事会)理事、ロンバルデリBOE(英中銀)副総裁の発言機会があります。
コンファランスを含めて各中銀の先行きの金融政策についてのヒントが提供されれば、市場が反応しそうです。
昨日は、植田日銀総裁が「現在、物価安定の目標にまだ到達していないものの、過去30年間のどの時点よりもそれに近づいている」、「食料品価格の上昇が基調的な物価上昇率に与え得る影響に注意する必要がある」などと述べると、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円)が一時下落する場面がありました。
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FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表されます(日本時間29日03:00)。今回の議事録は、政策金利を4.25~4.50%に据え置くことを決定した5月6-7日のFOMCのものです。
市場では、FRBは9月のFOMCで追加利下げを行うとの見方が優勢です。CMEのFedWatchツールによると、米国時間27日時点で市場が織り込む利下げ確率は、6月が約2%、7月までで約25%、9月までで約6割です(8月はFOMCの開催なし)。
FOMC議事録の内容を受けて市場のFRBの金融政策見通しが変化するかに注目。追加利下げ観測が後退する場合、米ドルのプラス材料になりそうです。
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