RBAは本日利下げか
2025/05/20 08:57
【ポイント】
・RBA(豪中銀)は先行きの金融政策についてどのようなヒントを示すか
・カナダCPIで市場のBOC(カナダ中銀)金融政策見通しが変化するか
・日米財務相会談についてのニュースが新たに出てくるか
(欧米市場レビュー)
19日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は144.654円、米ドル/カナダドルは1.39164カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.12826ドル、英ポンド/米ドルは1.33983ドルへと上昇。英ポンド/米ドルは4月30日以来およそ3週間ぶりの高値をつけました。格付け会社のムーディーズは16日(日本時間17日朝)、米国債の格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げると発表。このことが米ドルへの下押し圧力となりました。
(本日の相場見通し)
本日は、RBA(豪中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間13時30分に発表され、同14時30分からブロックRBA総裁が会見します。これらに豪ドルが反応しそうです。
RBAは23年11月に利上げを実施した後、24年12月まで政策金利を4.35%に維持。そして、前々回25年2月の会合で0.25%の利下げを実施し、前回4月1日の会合では政策金利を4.10%に据え置きました。
前回会合の議事録では「5月の会合は金融政策の設定を再検討する好機になる」との認識が示されました。また、豪州の1-3月期のCPI(消費者物価指数)トリム平均値は前年比2.9%と、前四半期の3.3%から上昇率が鈍化し、約3年ぶりにRBAの目標レンジ(2~3%)に収まりました。市場では、本日の会合で0.25%の利下げが決定されると予想されています。
その通りの結果になれば、RBAの声明やブロック総裁の会見が材料になりそうです。市場では、7月(6月はRBA会合なし)~12月にさらに0.50%(8月と11月にそれぞれ0.25%)の利下げが行われるとの見方が有力です。声明や総裁会見でさらなる利下げに慎重な姿勢が示されれば、追加利下げ観測が市場で後退するとともに、豪ドルのプラス材料になりそう。豪ドル/NZドルの上値メドとして200日移動平均線(20日時点で1.09736NZドル)が挙げられます。
※豪ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/円、豪中銀会合が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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カナダの4月CPIが本日発表されます(日本時間21:30)。この結果にカナダドルが反応する可能性があります。
CPIの市場予想は以下の通り。( )は前月の実績です。
・総合(前年比):1.6%(2.3%)
・トリム値(同):2.9%(2.8%)
・中央値(同):2.9%(2.9%)
4月1日に炭素税が撤廃された影響によって総合CPIの上昇率は前月から大きく鈍化し、BOC(カナダ中銀)の目標レンジ(1~3%)の中間値である2%を下回るとみられています。BOCがコアインフレ率として注視するCPIトリム値とCPI中央値の上昇率は、前者は前月から上昇率が高まり、後者は同じになると予想されています。
BOCは24年6月から前々回25年3月の政策会合まで7回連続で利下げ(合計2.25%)を実施。前回4月16日の会合では政策金利を2.75%に据え置きました。
次回6月4日の会合については、市場の見方がやや分かれているようです。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が19日時点で織り込む次回会合の確率は、“0.25%の利下げが約6割”、“政策金利の据え置きが約4割“です。
CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOCの次回会合での利下げ観測が後退しそう。その場合にはカナダドルのプラス材料になると考えられます。
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G7財務相・中央銀行総裁会議が本日開幕します(カナダのバンフで、22日まで)。また、それにあわせて日米財務相会談が行われる見通しです。
加藤財務相は13日、日米財務相会談について「引き続き為替についての協議を進めることを追求していきたい」と述べました。市場では、米ドル高・円安の是正について協議されるとの観測もあります。日米財務相会談の協議内容に関するニュースが出てくれば、材料になりそうです。
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