米国の格下げが市場で引き続き意識されるか
2025/05/19 08:57
【ポイント】
・ムーディーズが米国の格付けを1段階引き下げ
・G7財務相会合や日米財務相会談についてのニュースが出てくるか
(欧米市場レビュー)
16日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は146.054円、米ドル/カナダドルは1.39917カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.11295ドル、英ポンド/米ドルは1.32492ドルへと下落しました。
米国の5月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は50.8と、市場予想の53.4を下回りました。一方で、1年先のインフレ期待が7.3%、5年先のインフレ期待が4.6%と、いずれも4月確定値(それぞれ6.5%と4.4%)から上昇しました。インフレ期待の結果が市場でより強く意識されて、米ドルの支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
米国の格付け会社ムーディーズは16日(日本時間17日朝)、米国の信用格付けを最上位の「Aaa」から1段階引き下げ「Aa1」にすると発表しました(格付け見通しは「安定的」)。
これを受けて本日18日オセアニア時間は米ドルが軟調に推移しており、一時米ドル/円は145円を割り込み、ユーロ/米ドルは1.11ドル台後半へと上昇しました。米国の格下げが市場で引き続き意識された場合、米ドルは一段安となる可能性があります。
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米国の4月景気先行指数が本日発表されます(日本時間23:00)。
景気先行指数の市場予想は前月比マイナス1.0%と、5カ月連続でマイナスになるとみられています。市場予想を下回る結果になれば、米景気の先行きをめぐる懸念が市場で強まり、米ドルのマイナス材料になるかもしれません。
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20-22日にカナダ西部のバンフでG7財務相・中央銀行総裁会議が開かれます。これにあわせて、日米財務相会談が行われる予定です。
加藤財務相は13日、G7会合の機会を利用してベッセント米財務長官との会談を実施し、「引き続き為替についての協議を進めることを追求していきたい」と語りました。トランプ米大統領はたびたび円安を問題視する発言を繰り返しています。市場では、日米財務相会談で米ドル高・円安の是正について協議されるとの観測もあります。
G7財務相・中央銀行総裁会議や日米財務相会談に関するニュースが新たに出てくれば、材料になる可能性があります。
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