【株価指数】加藤・ベッセント会談、米国債格下げ
2025/05/19 07:41
【ポイント】
・主要株価指数は米中関税交渉の合意を好感
・G7財務相・中央銀行総裁会議と加藤・ベッセント会談に注目
・米議会でトランプ減税が審議されるなか、米国債格下げの影響は?
(先週のレビュー)
主要株価指数は週初に大幅に上昇。米中関税交渉が合意に達し、それぞれが関税率を大幅引き下げたことが材料となりました。
日経平均は、その後は軟調。米国で利下げ観測が強まったことや日米貿易交渉に関わる警戒感から「円高」が進んだことが日経平均の重石となりました。
米株価指数は週中にやや弱含む場面もありましたが、週末にかけて一段と上昇しました。小売売上高など一連の米経済指標は弱めだったものの、そのことでFRBの利下げ観測が強まったことが株式市場では好感されたようです。NYダウは3月上旬以来、S&P500とナスダック100は2月下旬以来の水準を回復。3月下旬~4月上旬にトランプ政権の相互関税の発動に絡んで急落した分を完全に取り戻した格好です。
FTSE100も堅調。英国が米国との関税交渉で最初に合意に達した国だったことで、FTSE100は早めに回復していましたが、今週も米株の好調に連れる形で比較的堅調に推移しました。
(今週の相場材料)
今週の注目イベントは、20-22日にカナダのバンフで開催されるG7財務相・中央銀行総裁会議です。これは6月15-17日に開催されるG7サミットの前段階の位置づけです。今回の会議では、トランプ関税の影響や各国の通商政策、ウクライナ支援やロシアへの制裁などが話し合われる可能性があります。また、会議期間中に加藤財務相と米国のベッセント財務長官の会談が予定されています。そこで為替相場に関する言及があれば、市場が反応するかもしれません。
米議会の下院では、トランプ減税の実現に向けて前進がみられるかもしれません。下院歳入委員会は13日、17年トランプ減税(JCTA)の延長を柱とする税制改革法案を承認しました。同法案は16日の予算委員会で否決されたため、内容の修正が必要になりました。否決の理由は、財政赤字拡大を危惧した共和党内の保守派が反対に回ったためです。
共和党内の保守派は歳出の大幅な削減を求めていますが、それには党内穏健派から反対が出る可能性があり、調整は難航しそうです。共和党の下院議長はメモリアルデー(5月26日)までの可決を目指しているため、今週は議会審議の動向が報道されて市場が反応する場面があるかもしれません。とりわけ、長期金利(10年物国債利回り)には要注意でしょう。
トランプ減税が成立するためには、上院と下院が同一の法案を可決する必要があります。米国がデフォルト(債務不履行)を回避するためには8月までの法案成立が不可欠となります。
大手格付け会社のムーディーズが16日夜(日本時間17日朝)、米国債の格付けを最上級のAaaから1段階低いAa1に引き下げました。巨額の財政赤字と債務の増大に懸念を表明した格好です。その影響は本日の市場でみられるかもしれません。なお、その他の格付け会社では、S&Pが11年に、フィッチが23年に米国の格付けを最上級から1段階引き下げています。
今週の主な経済指標は、米国の製造業PMI(景況感指数)、日本や英国のCPI(消費者物価指数)など。それらは金融政策にどのような影響を及ぼすでしょうか。他には、20日のRBA(豪中銀)の会合で0.25%の利下げが予想されています。
・主要株価指数は米中関税交渉の合意を好感
・G7財務相・中央銀行総裁会議と加藤・ベッセント会談に注目
・米議会でトランプ減税が審議されるなか、米国債格下げの影響は?
(先週のレビュー)
主要株価指数は週初に大幅に上昇。米中関税交渉が合意に達し、それぞれが関税率を大幅引き下げたことが材料となりました。
日経平均は、その後は軟調。米国で利下げ観測が強まったことや日米貿易交渉に関わる警戒感から「円高」が進んだことが日経平均の重石となりました。
米株価指数は週中にやや弱含む場面もありましたが、週末にかけて一段と上昇しました。小売売上高など一連の米経済指標は弱めだったものの、そのことでFRBの利下げ観測が強まったことが株式市場では好感されたようです。NYダウは3月上旬以来、S&P500とナスダック100は2月下旬以来の水準を回復。3月下旬~4月上旬にトランプ政権の相互関税の発動に絡んで急落した分を完全に取り戻した格好です。
FTSE100も堅調。英国が米国との関税交渉で最初に合意に達した国だったことで、FTSE100は早めに回復していましたが、今週も米株の好調に連れる形で比較的堅調に推移しました。
(今週の相場材料)
今週の注目イベントは、20-22日にカナダのバンフで開催されるG7財務相・中央銀行総裁会議です。これは6月15-17日に開催されるG7サミットの前段階の位置づけです。今回の会議では、トランプ関税の影響や各国の通商政策、ウクライナ支援やロシアへの制裁などが話し合われる可能性があります。また、会議期間中に加藤財務相と米国のベッセント財務長官の会談が予定されています。そこで為替相場に関する言及があれば、市場が反応するかもしれません。
米議会の下院では、トランプ減税の実現に向けて前進がみられるかもしれません。下院歳入委員会は13日、17年トランプ減税(JCTA)の延長を柱とする税制改革法案を承認しました。同法案は16日の予算委員会で否決されたため、内容の修正が必要になりました。否決の理由は、財政赤字拡大を危惧した共和党内の保守派が反対に回ったためです。
共和党内の保守派は歳出の大幅な削減を求めていますが、それには党内穏健派から反対が出る可能性があり、調整は難航しそうです。共和党の下院議長はメモリアルデー(5月26日)までの可決を目指しているため、今週は議会審議の動向が報道されて市場が反応する場面があるかもしれません。とりわけ、長期金利(10年物国債利回り)には要注意でしょう。
トランプ減税が成立するためには、上院と下院が同一の法案を可決する必要があります。米国がデフォルト(債務不履行)を回避するためには8月までの法案成立が不可欠となります。
大手格付け会社のムーディーズが16日夜(日本時間17日朝)、米国債の格付けを最上級のAaaから1段階低いAa1に引き下げました。巨額の財政赤字と債務の増大に懸念を表明した格好です。その影響は本日の市場でみられるかもしれません。なお、その他の格付け会社では、S&Pが11年に、フィッチが23年に米国の格付けを最上級から1段階引き下げています。
今週の主な経済指標は、米国の製造業PMI(景況感指数)、日本や英国のCPI(消費者物価指数)など。それらは金融政策にどのような影響を及ぼすでしょうか。他には、20日のRBA(豪中銀)の会合で0.25%の利下げが予想されています。
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