マネースクエア マーケット情報

英・スウェーデン・ノルウェーの中銀会合開催!

2025/05/08 08:30

【ポイント】
・英中銀は追加利下げペースについての手掛かりを提供するか
・スウェーデン中銀やノルウェー中銀は先行きの金融政策についてヒントを示すか

(欧米市場レビュー)

7日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は143.953円、米ドル/カナダドルは1.38331カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.12915ドル、英ポンド/米ドルは1.32811ドルへと下落しました。

FRB(米連邦準備制度理事会)はFOMC(連邦公開市場委員会)を開き、政策金利を4.25~4.50%に据え置くことを決定しました。これは市場予想通りの結果だったものの、パウエルFRB議長が会見で「金利調整(利下げ)を急ぐ必要があるとは感じていない」などと述べたことが、米ドルの支援材料となりました。

※FOMCの結果やパウエル議長の会見について詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMCはタカ派的据え置き 利下げは7月以降!?]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

パウエルFRB議長のFOMC後の会見が市場で引き続き意識されるかもしれません。その場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下値を試す展開になる可能性があります。

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BOE(英中銀)スウェーデン中銀ノルウェー中銀の政策会合が本日開かれます。これらの結果に市場が反応する可能性があります。

<BOE>日本時間20時2分に会合結果発表、同20時30分からベイリー総裁が会見
BOEは24年8月以降、3回(合計0.75%)の利下げを行いました(前回25年3月の会合では政策金利を据え置き)。

トランプ関税によって世界景気が下押しする可能性が高まっていることから、市場ではBOEは本日の会合で0.25%の追加利下げを行うとの見方が有力です。その通りの結果になれば、BOEの声明や会合の議事録、ベイリー総裁の会見で今後の追加利下げペースについて何らかの手掛かりが提供されるかに注目です。

市場では、BOEは本日も含めて12月末までに4回(合計1.00%)の追加利下げを行うとの観測があります。ベイリー総裁の会見などにより、この観測が市場で後退すれば、英ポンドが堅調に推移しそう。その場合、ユーロ/英ポンド200日移動平均線(8日時点で0.83889ポンドに位置)割れを試すかもしれません。

※英ポンド/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[英ポンド/円、BOE会合&総裁会見が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

<スウェーデン中銀>日本時間16時30分に会合結果発表
スウェーデン中銀は24年5月から25年1月まで6回(合計1.75%)の利下げを実施。前回3月の会合では政策金利を2.25%に据え置きました。

市場では、本日の会合で政策金利は据え置かれると予想されています。その通りの結果になれば、スウェーデン中銀の声明で先行きの金融政策についてどのような認識が示されるかに注目です。

前回会合の声明では、「状況を注視し、インフレや経済の見通しに応じて行動する」とされつつも、「政策金利は今後もこの水準(2.25%)にとどまる」との認識が示されました。

市場では、スウェーデン中銀は次回6月の会合以降に追加利下げを行うとの観測もあるようです。声明によってスウェーデン中銀の追加利下げ観測が後退する場合、スウェーデンクローナのプラス材料になりそうです。

<ノルウェー中銀>日本時間17時に会合結果発表
ノルウェー中銀は23年12月に利上げを実施した後、前回25年3月の会合まで政策金利を4.50%に据え置いています。

市場では、政策金利は今回も据え置かれると予想されています。その通りの結果になれば、ノルウェー中銀の声明で先行きの金融政策についてどのような認識が示されるかに注目です。

前回会合の声明では、「インフレが加速しており、(ノルウェー中銀の)予想を大きく上回っている。政策金利を早急に引き下げれば、インフレは加速し続けるかもしれない」とされつつも、「今後の経済の展開には不確実性があるものの、政策金利は25年中に引き下げられる可能性が最も高い」との認識が示されました。

ノルウェー中銀は早ければ次回6月の会合で利下げを行うとの観測が市場にはあります。声明がノルウェー中銀の利下げ観測を高める内容になれば、ノルウェークローネのマイナス材料になりそうです。

仮にノルウェー中銀の利下げ観測が高まる一方で、スウェーデン中銀の追加利下げ観測が後退する場合、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは上値が重い展開になるかもしれません。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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