ドイツやフランスPMI、明日午前のNZの雇用統計に注目!
2025/05/06 08:37
【ポイント】
・ドイツなどのPMIでユーロ圏景気への懸念が強まるか
・NZ雇用統計で市場のRBNZ金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
5日、欧米時間の外為市場では円が堅調に推移。一時米ドル/円は143.532円、ユーロ/円は162.548円、豪ドル/円は92.947円、NZドル/円は85.614円へと下落しました。米国の主要な株価指数が軟調に推移するなか、リスクオフ(リスク回避)が強まったことが、円の支援材料となりました。
米国の4月ISM非製造業景況指数は51.6と市場予想の50.2を上回った一方で、4月S&Pグローバルサービス部門PMI(購買担当者景気指数)改定値は50.8と市場予想の51.0を下回りました。米経済指標はマチマチの結果でした。
(本日の相場見通し)
本日は、日本が振替休日です。外為市場では参加者が減少して流動性が低下するため、値動きが増幅される可能性があります。トランプ関税や貿易協議についての追加的なニュースに引き続き注意は必要です。
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ユーロ圏やドイツ、フランスの4月PMI改定値が本日発表されます。
市場予想は以下の通り。( )は速報値の実績です。いずれも速報値と同じ結果になるとみられています。
<ユーロ圏>
・総合:50.1(50.1)
・サービス部門:49.7(49.7)
<ドイツ>
・総合:49.7(49.7)
・サービス部門:48.8(48.8)
<フランス>
・総合:47.3(47.3)
・サービス部門:46.8(46.8)
PMIが市場予想を下回る結果になれば、ユーロ圏景気の先行きへの懸念が市場で強まりそうです。その場合にはユーロのマイナス材料となり、ユーロ/円やユーロ/英ポンドは軟調に推移する可能性があります。ユーロ/円とユーロ/英ポンドの下値メドとして、いずれも200日移動平均線が挙げられます。200日移動平均線は、6日時点でそれぞれ161.291円と0.83881ポンドに位置します。
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NZの1-3月期雇用統計が明日7日に発表されます(日本時間07:45)。この結果にNZドルが反応しそうです。
雇用統計の市場予想は以下の通り。( )は24年10-12月期の実績です。
・失業率:5.3%(5.1%)
・就業者数(前期比):プラス0.1%(マイナス0.1%)
・就業者数(前年比):マイナス0.5%(マイナス1.1%)
RBNZ(NZ中銀)は前回4月9日の政策会合まで5回連続で利下げを実施。前回会合の声明では、「(トランプ政権の)関税政策の範囲と効果が明確になるにつれ、必要に応じて政策金利をさらに引き下げる余地がある」との認識が示されました。
市場では、RBNZは次回5月28日の会合で0.25%の追加利下げを行うとの見方が優勢。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)が織り込む次回会合の確率は、0.25%の利下げが約7割、政策金利の据え置きが約3割です。
雇用統計が市場予想と比べて弱い結果になれば、利下げ観測が高まるとともに、NZドルが軟調に推移しそうです。
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