米GDPやPCEデフレーター、豪CPIに注目!
2025/04/30 08:49
【ポイント】
・米GDPなどでFRBの6月利下げ観測が強まるか
・豪CPIでRBAの追加利下げ観測は補強されるか
(欧米市場レビュー)
29日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は142.709円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.13699ドル、英ポンド/米ドルは1.33787ドル、豪ドル/米ドルは0.63746米ドルへと下落しました。米国のラトニック商務長官が自動車関税の影響を軽減する措置を発表したことが、米ドルの支援材料となりました。
米国の3月JOLTS(労働動態調査)求人件数と4月消費者信頼感指数はいずれも市場予想を下回ったものの、市場は反応薄でした。
米経済指標の結果は以下の通り。( )は市場予想です。
・JOLTS求人件数:719.2万件(748.0万件)
・消費者信頼感指数:86.0(87.5)
※本日の『ファンダメ・ポイント』は、[米景気低迷と日銀会合の注目点]です。
カナダでは28日に総選挙が実施されました。選挙管理委員会の暫定結果によると、獲得議席は与党の自由党が168、最大野党の保守党は144。過半数(172議席)には届かなったものの、自由党は第1党を維持。カーニー首相は続投する見通しとなりました。
カナダの総選挙の結果に対し、カナダドルに大きな反応は見られませんでした。
(本日の相場見通し)
トランプ政権の関税や米中貿易協議について新たなニュースが出てきた場合、材料になりそうです。最近は、新たなニュースによって関税の軽減や米中貿易摩擦緩和への期待が市場で高まる場合、米ドルが堅調に推移する傾向がみられます。
***
本日は、米国の1-3月期GDP(国内総生産)速報値や3月PCE(個人消費支出)デフレーターが発表されます。これらの結果が材料になりそうです。
市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・GDP(前期比年率):0.3%(2.4%)
・PCEデフレーター(前月比):0.0%(0.3%)
・PCEデフレーター(前年比):2.2%(2.5%)
・PCEコアデフレーター(前月比):0.1%(0.4%)
・PCEコアデフレーター(前年比):2.6%(2.8%)
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利を据え置くとの見方が支配的。次々回6月のFOMCで追加利下げが行われるとの見方が有力です。
GDPやPCEデフレーターが市場予想を下回る結果だった場合、6月の追加利下げ観測が一段と強まるとともに、米ドルが軟調に推移しそうです。米ドル/円や米ドル/カナダドルには下落圧力が、英ポンド/米ドルや豪ドル/米ドルには上昇圧力が加わると考えられます。
***
豪州の1-3月期CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間10:30)。
同時刻には3月(月次)CPIも発表されますが、月次のCPIがカバーする品目は四半期のCPIの3分の2程度です。1-3月期(四半期)CPIの方が重要です。
1-3月期CPIの市場予想は、総合指数が前年比2.3%、RBA(豪中銀)がコアインフレ率として注視するCPIトリム平均値が同2.8%です。トリム平均値は24年10-12月期の3.2%から上昇率が鈍化し、21年10-12月期以来およそ3年ぶりにRBAのインフレ目標レンジ(2~3%)に収まるとみられています。
市場では、RBAは次回5月19-20日の政策会合で0.25%の追加利下げを行うと予想されています。1-3月期CPIが市場予想を下回る結果になれば、RBAの追加利下げ観測が補強されるとともに、豪ドルのマイナス材料になりそう。豪ドル/NZドルや豪ドル/円は軟調に推移する可能性があります。豪ドル/NZドルの目先の下値メドとして、4月23日安値の1.06514NZドルが挙げられます。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。