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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※4月15日更新

2025/04/15 10:08

宮田レポート(短期アップデート)/250415_miyata.pdf

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YouTube エリオットView 4月14日 [予想通りのドル安!そして今後の見通し]


[日経平均]
【当面の想定レンジ】 31,500~36,700円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 36,500~42,200ドル
            (S&P500) 4600~5750
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~18,300

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 139.000~152.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~105.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
4月7日の安値(30,792円)は、インターミディエイト級(1)波高値(30,795円)を3円だけ侵犯し、1波と4波が重ならない「ノーオーバーラップ」の原則に抵触しました。一方TOPIXの1波と4波は重ならず、4月7日安値(2243)は24年8月底(2206)に対し切り上がりました。
このような、日経平均とTOPIXの間の「未確認」は底入れのサインとして大いに注目できます。

4月7日の東証プライム市場出来高は36億6374万株に急増し、24年8月底(40億9000万株)に次ぐ大きさでした。TOPIXはセリングクライマックス型の「二番底」を付けた可能性が高い、とみられます。

日経平均に戻ると、重要サポートとしての200週MAを週末値で維持しました。このことにより、プライマリー上昇波は続いている、とみることができます。そうであれば、日経平均は今後数カ月内にインターミディエイト級第(5)波の上昇に移行する可能性があります。



【日足・時間足 エリオット波動分析】
4月7日の安値(30,792円)を以て、24年7月高値(42,426円)からのインターミディエイト級(4)波は、「フラット」調整で終わったかもしれません。

当面の上値レンジとして、[35,595円~36,728円](24年12月高値40,398円からの下げ半値戻り~61.8%戻り)が想定されます。

同レンジでは、大量に「やれやれの売り」が待ち構えていると思われます。4月7日に底打ちした可能性は高いと思われますが、(24年8月底直後のような)V字型回復は期待薄でしょう


[予想PER別の日経平均水準]
日経平均予想EPSは2495円(4/14)。過去最高は2564円(2/13)です。
なお歴代3位の下げとなった4月7日のPER(12.59倍)は、24年8月5日「令和のブラックマンデー」の13.01倍を下回りました。



[NYダウ・S&P500] 

【日足 エリオット波動分析】 
24年末、筆者は次のように予想しました。
(NYダウは25年に)22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう…当面の下値ターゲットとして有力な水準として24年4月安値(37,611ドル)─これは[エンディング・ダイアゴナル]の始点です─を挙げることができます。

この想定通り、NYダウは22年10月以降で最大の調整に拡大しています。4月7日には一時36,611ドルまで下げ、22年から上昇の半値押し[36,807ドル]に達しました。

足元の上昇は第(4)波、あるいは第(2)波によるリバウンド局面に位置付けられます。当面200日MA(42,196ドル)付近までの戻り余地はありますが、その後に到来する下落局面には引き続き注意が必要でしょう。

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、より大きな下落スケールになると思われます。試みに最高値から22.4%下げる水準は[34,977ドル]であり、3万5000ドル処は中期タームの下値目標といえそうです。

【S&P500週足 エリオット波動分析】 
筆者の長期的な波動カウントは、22年1月高値(4818)以来、プライマリー級➃波による調整(A)-(B)-(C)が進行中というものです。そのうち(B)波は最高値を更新し続け、今年の高値を以て「イレギュラートップ」を終了しました。そこからは(C)波による下落が進行中とみられます。

➃波中の(A)波は27.84%下げました。(C)波も同率で下げるとすれば、下値メドは[4435]となります。
➃波が「エクスパンディッド・フラット」になる可能性にも留意しておかなければなりません。この場合には、(C)波安値は、(A)波安値[3491]を下抜くことになります。

(C)波の完了を以てプライマリー級➃波のすべてが完成し、数年単位の強気トレンド(プライマリー級の第➄波)が開始されるでしょう。ハイテク株で構成されるナスダックとは違い、ハイテク株と非ハイテク株のハイブリッドであるS&P500は、いずれ最高値を更新する可能性もありそうです。

4835(4/7安値)からはリバウンドとなっています。22年1月高値[4818]と、20年からのサポートライン、これらによって下支えされたことがわかります。

現行リバウンドのメドとして、[5491-5646](2月からの下落の50%-61.8%戻り)が注目されます。現行リバウンドが仮に第(2)波とすれば、近々第(3)波による急落が始まることになります


[ナスダック]

【ナスダック総合指数 週足 エリオット波動分析】
ナスダック総合指数(以下、ナスダック)は、22年12月安値(10,207)からサイクル級の調整が進行中とみられます。

14,781(4/7安値)からは第(2)波によるリバウンドとみられ、短期的な上昇余地があります。もっとも、リバウンド完了後には第(3)波の下落入りが想定されるので注意が必要です。

21年~22年のプライマリー➃波の下げ率(37.77%)は、ほぼフィボナッチ比率(38.2%)でした。
今後1~2年という期間では [12,527] (24年12月高値から38%下げる水準)へ下押す可能性もあるでしょう。




【時間足 エリオット波動分析】

14,784(4/7安値)からは第(2)波によるリバウンドとカウントできます。
第(2)波は、2月高値からの下げに対する50%-61.8%を引き返す可能性があり、想定される上値レンジは[17,447-18,075]です。想定レンジ上限付近には、第(1)波のレッサー・ディグリー4波高値18,281(3/25)、そして200日MA(18,399)があります。

この波動カウントが正しければ、第(2)波によるリバウンド後に第(3)波の下落が続くことになり、それは14,784を明確に下抜くでしょう。



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(➀)が強いサポートになるでしょう。
➀の水準は136.425円(4月)に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は116.800円(4月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。月足分析で記したB波[トライアングル]説によれば、C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)になります。158.825円(1/10)から、ⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

4月11日には142円を試す動きとなりました。過去2年間にわたるチャネルの下限に達しており、当面の安値はこの辺りかもしれません。

反面142円を下抜くと、それはチャネル下限割れを意味するものとなります。この場合24年9月の139.565円を試すでしょう。そして[138.517円-136.452円]を窺うことになりそうです。

[138.517円]…ⓐ波とⓒ波が等しく下がる水準
[136.452円]…24年7月から9月までドル/円下落幅と、今年1月からのドル/円下落幅が等しい

ヘッド・アンド・ショルダーズ
139.565円をNY市場の終値で下回るようだと、それはヘッド・アンド・ショルダーズ型天井の完成を告げるものになるでしょう。この弱気パターンによれば、ドル/円は今後[127.158円]を試す可能性があります。




金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[143.026円]です。


投機筋の円買い持ち高が過去最大に(2025年4月8日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は急増しました。円買い持ちは前週の103.5億ドルから128.07億ドルとなり、過去最大に拡大しました。


[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
4月11日、一時99.014までドル安が進行し22年4月以来3年ぶりドル安水準となりました。筆者は一貫してドル安を予想してきましたが、その通りの展開です。

08年からのドル高に対する38.2%押し水準[97.939]を目前に控え、C波中マルiii波によるドル安は、そろそろ終わるかもしれません。

もっともC波自体はまだ続いています。短期的なドル反発が起きても一時的なもので、いずれC波中マルv波のドル安が到来するでしょう。

22年9月~23年7月のA波において、ドル指数は10カ月で13.2%減価しました。C波も同様と仮定すると、今年11月頃にドル指数が[95.632]まで下げる可能性を指摘できます。

なおA波とC波が同幅下げるとすると[94.976]が得られます。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。


宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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