米経済指標が材料に!? 関税の報道には引き続き要注意
2025/04/15 09:10
【ポイント】
・米NY連銀製造業景気指数を受けてFRB追加利下げ観測が強まるか
・トランプ大統領は自動車関税を見直す!?
(欧米市場レビュー)
14日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。NZドル/米ドルは一時0.58862米ドルへと上昇し、24年12月上旬以来の高値を記録。ユーロ/米ドルは1.14189ドル、英ポンド/米ドルは1.31959ドル、豪ドル/米ドルは0.63371米ドルへと上昇する場面がありました。トランプ米政権の通商政策をめぐる不確実性が引き続き米ドルの重石となりました。
(本日の相場見通し)
米国の4月NY連銀製造業景気指数が本日発表されます(日本時間21:30)。この結果が材料になる可能性があります。
NY連銀製造業景気指数の市場予想はマイナス14.5と、前月(マイナス20.0)から改善するものの、業況判断の分かれ目であるゼロを2カ月連続で下回るとみられています。
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は6月に追加利下げを行うとの見方が優勢です。CMEのFedWatchツールによると、米国時間14日時点で市場が織り込む利下げ確率は、次回5月6-7日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で約20%、次々回6月17-18日のFOMCまでで約75%です。
NY連銀製造業景気指数が市場予想と比べて弱い結果になれば、FRBの追加利下げ観測が一段と強まる可能性があります。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円には下落圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わりそうです。
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トランプ米大統領は14日、「自動車メーカーを支援する何らかの措置を検討している」と述べ、「自動車メーカーが米国内での製造に切り替えるには、少し時間が必要だ」と語りました。
トランプ政権は3日、米国に輸入される自動車に対して25%の追加関税を課す措置を発動しました(ただし例外措置として、USMCAに準拠した自動車は米国製以外の部品の使用割合に応じて課税)。
25%の自動車関税は今後税率の引き下げあるいは一時的な免除が行われるかもしれません。仮にその通りになれば、米ドルにとってプラス材料になる可能性があります。最近は世界的に貿易摩擦が激化するとの懸念が強まる場合、米ドルが軟調に推移する傾向がみられるからです。
自動車関税を含めてトランプ政権の関税についての報道に引き続き要注意です。トランプ大統領は13日、半導体を対象とする関税の詳細を近く発表する考えを示しました。関税について新たな報道が出てくれば、市場が反応すると考えられます。
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