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相互関税発表後、米ドル/円やクロス円が大きく下落

2025/04/03 09:15

【ポイント】
・相互関税は厳しい内容と市場は評価か
・主要国の株価が大きく下落する場合、リスクオフは一段と強まる可能性も

(欧米市場レビュー)

2日、欧米時間の外為市場は、トランプ大統領の相互関税の発表後にが急伸。一時米ドル/円は149.200円近辺、ユーロ/円は161.300円近辺、豪ドル/円は93.500円近辺、NZドル/円は85.200円近辺へと下落しました。

トランプ大統領はホワイトハウスで演説し、相互関税の詳細を発表。相互関税の税率は10%を最低とし、日本や中国、EU(欧州連合)などにはより高い税率を適用するとしました。中国は34%・日本は24%・EU(欧州連合)は20%の税率が適用されます。

これを受けて市場ではリスクオフ(リスク回避)の動きが強まり、円高圧力となりました。相互関税は厳しい内容と市場は評価したのかもしれません。

※相互関税について詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[【速報】トランプ大統領が相互関税を発表!]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日のオセアニア・東京時間の外為市場ではリスクオフの流れが続いており、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)は一段と下落しています。

本日の日経平均は、前日終値比684.20円安の35,041.67円で寄り付いた後、下げ幅を拡大しています(午前9時10分時点では1,500円程度)。日経平均がさらに下げ幅を拡大する、あるいは中国・欧州・米国の主要な株価指数が大きく下落する場合、リスクオフが一段と強まるとともに、米ドル/円やクロス円はさらに下押しするかもしれません。

相互関税への各国の対応トランプ政権の関税についての追加報道にも注目です。各国の対応や追加報道次第によって貿易戦争がエスカレートするとの懸念が市場で強まれば、さらなるリスクオフへとつながる可能性があります。

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米国の3月ISM非製造業景況指数3月S&Pグローバルサービス業PMI(購買担当者景気指数)改定値が本日発表されます。

市場予想は、ISM非製造業景況指数が53.0、S&Pグローバルサービス業PMIが54.2です。前者は2月の53.5から低下し、後者は速報値の54.3から下方修正されるとみられています。

これらが市場予想を下回る結果になれば、米景気の先行きをめぐる懸念が強まるとともに、FRB(米連邦準備制度理事会)の追加利下げ観測が高まる可能性があります。FRBの追加利下げ観測は米ドルのマイナス材料と考えられます。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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