【株価指数】トランプ関税発動へ、米景気・雇用はどうか
2025/03/03 06:59
【ポイント】
・トランプ大統領の言動が引き続き相場材料に
・4日に対カナダ・メキシコ・中国関税発動、その他の関税はどうなる?
・米景気は大丈夫か、雇用統計は??
(先週のレビュー)
主要株価指数は総じて軟調でした。日経平均は下落基調が続き、とりわけ28日には1100円の大幅下げとなりました。NYダウやS&P500は軟調ながらも28日に反発。ナスダック100も大きく下げた後に小反発しました。例外的にFTSE100は堅調で、28日には2月13日の最高値に接近しました。
株価の下落材料となったのは、米景気の軟調であり、トランプ政権の政策でした。前者は具体的には、消費者信頼感の低下やPCE(個人消費支出)の軟調など。ただ、それらを受けて、FRBの利下げ観測が高まり、長期金利が低下したことが株価の下支え材料となりました。
トランプ大統領の関税に関する発言に市場は右往左往した感があります。トランプ大統領は対カナダ・メキシコ関税の発動を遅らせるかの発言をし、一時市場に安心感が流れました。しかし、後にそれらの3月4日発動、対EU関税の意向、4月2日の相互関税発動などが明らかにされたことで株価の重石になりました。
注目されたエヌビディアの決算は比較的良好でしたが、一部の期待には届かなかった模様。また、トランプ大統領が対中国半導体規制の強化に言及したことで、IT株全般に下押し圧力が加わりました。
日経平均については、前週からの円高、日銀の利上げ観測などが追加的な重石となった模様。ただ、そうしたなかでも米著名投資家のバフェット氏が買い増しの意向を示した商社株が堅調でした。
■日本N225のテクニカル分析については、本日3日付け「日本N225、一時昨年9月以来の安値を示現!今後の注目ポイントは?」をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
FTSE100堅調の背景は、27日の米英首脳会談で通商交渉の再開で合意したこと(関税回避?)、英ポンドが下落して輸出関連株が買われたことなどでした。
(今週の相場材料)
今週も、トランプ大統領の言動が相場材料になるかもしれません。
3月4日に予定される対カナダ・メキシコ・中国関税に土壇場で変更はあるか。その他の関税について、新しい情報が出てくるかなども注目されるところ。4日夜(日本時間5日午前)には、トランプ大統領が議会の上下両院合同会議で演説を行います(一般教書演説に該当)。そこで何らかのサプライズが飛び出す可能性がありそうです。
トランプ大統領との会談が物別れに終わった後、ゼレンスキー大統領は英国でスターマー首相と会談。ロシアとウクライナの停戦案を英・仏・ウクライナでまとめて米国に提示する方針が明らかになりました。6日にはEU(欧州連合)サミットでウクライナ問題が討議される予定です。そこで何らかの進展がみられるか、大いに注目でしょう。
米景気の鈍化懸念が強まるなか、経済指標の重要性も増していそう。3日のISM製造業景況指数や5日の同非製造業指数、6日の貿易収支、7日の雇用統計など。貿易収支は関税発動前の駆け込みで輸入が急増(赤字が拡大)する可能性があり、一時的にせよ景気の足を引っ張りそうです。雇用統計は今年1月までは概ね堅調が続いていましたが、2月はどうか。FRB内では雇用は急に悪化する場合もあるとの認識があるようです。市場が直前の5日のADP雇用統計や6日の週間新規失業保険申請件数なでに反応する可能性もありそうです。
6日にはECB(欧州中銀)とTCMB(トルコ中銀)の政策会合が開催されます。ECBは0.25%、TCMBは2.50%の利下げが予想されています。ECBについては、ラガルド総裁の記者会見にも注目です。
その他では、5日に内田日銀副総裁の講演があります。最近、タカ派の田村・高田両審議委員が利上げに前向きな発言をしましたが、中道の内田副総裁はどうでしょうか。また、6日には連合(日本労働組合総連合会)が春闘の要求集計結果を公表します。日銀の利上げ観測が強まって円高圧力となれば、日経平均にとってはマイナスかもしれません。
・トランプ大統領の言動が引き続き相場材料に
・4日に対カナダ・メキシコ・中国関税発動、その他の関税はどうなる?
・米景気は大丈夫か、雇用統計は??
(先週のレビュー)
主要株価指数は総じて軟調でした。日経平均は下落基調が続き、とりわけ28日には1100円の大幅下げとなりました。NYダウやS&P500は軟調ながらも28日に反発。ナスダック100も大きく下げた後に小反発しました。例外的にFTSE100は堅調で、28日には2月13日の最高値に接近しました。
株価の下落材料となったのは、米景気の軟調であり、トランプ政権の政策でした。前者は具体的には、消費者信頼感の低下やPCE(個人消費支出)の軟調など。ただ、それらを受けて、FRBの利下げ観測が高まり、長期金利が低下したことが株価の下支え材料となりました。
トランプ大統領の関税に関する発言に市場は右往左往した感があります。トランプ大統領は対カナダ・メキシコ関税の発動を遅らせるかの発言をし、一時市場に安心感が流れました。しかし、後にそれらの3月4日発動、対EU関税の意向、4月2日の相互関税発動などが明らかにされたことで株価の重石になりました。
注目されたエヌビディアの決算は比較的良好でしたが、一部の期待には届かなかった模様。また、トランプ大統領が対中国半導体規制の強化に言及したことで、IT株全般に下押し圧力が加わりました。
日経平均については、前週からの円高、日銀の利上げ観測などが追加的な重石となった模様。ただ、そうしたなかでも米著名投資家のバフェット氏が買い増しの意向を示した商社株が堅調でした。
■日本N225のテクニカル分析については、本日3日付け「日本N225、一時昨年9月以来の安値を示現!今後の注目ポイントは?」をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
FTSE100堅調の背景は、27日の米英首脳会談で通商交渉の再開で合意したこと(関税回避?)、英ポンドが下落して輸出関連株が買われたことなどでした。
(今週の相場材料)
今週も、トランプ大統領の言動が相場材料になるかもしれません。
3月4日に予定される対カナダ・メキシコ・中国関税に土壇場で変更はあるか。その他の関税について、新しい情報が出てくるかなども注目されるところ。4日夜(日本時間5日午前)には、トランプ大統領が議会の上下両院合同会議で演説を行います(一般教書演説に該当)。そこで何らかのサプライズが飛び出す可能性がありそうです。
トランプ大統領との会談が物別れに終わった後、ゼレンスキー大統領は英国でスターマー首相と会談。ロシアとウクライナの停戦案を英・仏・ウクライナでまとめて米国に提示する方針が明らかになりました。6日にはEU(欧州連合)サミットでウクライナ問題が討議される予定です。そこで何らかの進展がみられるか、大いに注目でしょう。
米景気の鈍化懸念が強まるなか、経済指標の重要性も増していそう。3日のISM製造業景況指数や5日の同非製造業指数、6日の貿易収支、7日の雇用統計など。貿易収支は関税発動前の駆け込みで輸入が急増(赤字が拡大)する可能性があり、一時的にせよ景気の足を引っ張りそうです。雇用統計は今年1月までは概ね堅調が続いていましたが、2月はどうか。FRB内では雇用は急に悪化する場合もあるとの認識があるようです。市場が直前の5日のADP雇用統計や6日の週間新規失業保険申請件数なでに反応する可能性もありそうです。
6日にはECB(欧州中銀)とTCMB(トルコ中銀)の政策会合が開催されます。ECBは0.25%、TCMBは2.50%の利下げが予想されています。ECBについては、ラガルド総裁の記者会見にも注目です。
その他では、5日に内田日銀副総裁の講演があります。最近、タカ派の田村・高田両審議委員が利上げに前向きな発言をしましたが、中道の内田副総裁はどうでしょうか。また、6日には連合(日本労働組合総連合会)が春闘の要求集計結果を公表します。日銀の利上げ観測が強まって円高圧力となれば、日経平均にとってはマイナスかもしれません。
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