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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※2月18日更新

2025/02/18 11:21

宮田レポート(短期アップデート)/250218_miyata.pdf

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YouTube エリオットView 2月17日 [ドル安、強まる 米ドル/円と米ドル/カナダドル]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~42,000円

[NYダウ・S&P500]  (2月17日は「プレジデント・デー」により休場)
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 38,000~45,000ドル
            (S&P500) 5000~6200
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~20,200

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 139.000~155.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~109.881



[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
2025年に日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇によって最高値を更新するでしょう。そのターゲットは[4万3000円-4万5000円]です※。

この第(5)波上昇を以て、コロナショック底以来5年間にわたる強気相場(プライマリー第➂波)は完成し(『黄金の3年間』完結)、その後はプライマリー第➃波による停滞局面に移るでしょう。

24年7月以来のインターミディエイト級第(4)波の調整は続いているとみられます。
この見方によると、第(5)波上昇が始まる前に、日経平均は(4)-C波によって下押しし、24年8月底に次ぐ二番底を付けるでしょう。38,401円を割ると、C波による下げが鮮明になるでしょう(後述)。

※2025年の日経平均予想レンジは[3万5000円-4万5000円]です。


[予想PER別の日経平均水準]

2月17日の日経平均予想EPSは2557円。過去最高水準は2564円(2/13)です。

【時間足 エリオット波動分析】
40,398円(12/27高値)からは、第(4)波「シンメトリカル・トライアングル」(A-B-C-D-E)における、C波の下落に当たります。このC波によって、日経平均は24年8月底に次ぐ二番底を付ける、と見込まれます。

38,401円(2/3安値)を割ると弱気トリガーが発動され、以降は急落局面を迎えるでしょう。

日経平均は当面24年10月からのレンジ相場下限(37,650~37,800円)を試し、3月中にも24年9月安値の35,247円を一時的に下回る可能性があります。

その反面、38,401を維持しつつ39,681円を上回ると、弱気見通しはいったんキャンセルされます。
さらに40,279円をも上抜くと、24年8月安値から既に第(5)波による上昇が進行中、というカウントに変更します(チャート下部に、[Alt]で表示しています)。



[NYダウ・S&P500] 

【日足 エリオット波動分析】 
NYダウは、22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波を45,073ドル(12/4高値)で完成し、(C)波の下落局面に突入した可能性が高い、とみています。それは先々、22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう。

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、あるいはより大きな下落スケールになると思われます。

今後数カ月内の下値ターゲットとして注目される水準は、24年4月安値(37,611ドル)です。これは[エンディング・ダイアゴナル]開始点の水準のことで、この時点におけるNYダウの高値からの下げ率は16.5%です。

[オルタナティブ・カウント]
41,844ドル(1/13安値)から第(ⅴ)波による上昇が進行中です。この見方によるとNYダウは今後、[45,244ドル][45,575ドル]、さらに[46,456ドル]へ上昇する可能性があります。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
1月24日のS&P500の最高値(6128.18)は、NYダウによっては確認されていません(NYダウの最高値は昨年12月4日)。これら二つの指数間の未確認は、これらが重要な高値を付けた可能性を示しています。

S&P500はフラット(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)による第ii波(サブミニュエット級)を足元で終えたか、終えつつあります。
そうであれば、近々第iii波による下落が始まるでしょう。第iii波は早々に5923(2/3安値)を下抜き、さらに5773(1/13安値)への下値試しとなるでしょう。

一方、この波動カウントは6128.18を抜くと否定され─2月13日には一時6116へ上昇しました─5923(2/3安値)からを第(ⅴ)波中第ⅲ波の上昇とカウントし直します。この場合、S&Pは[6145-6161]を試すでしょう。

[6145]…22年1月~10月の下げ幅に対し倍返し水準のこと
[6161]…1929年天井からの長期レジスタンスライン

【時間足 エリオット波動分析】 
45,054ドル(1/31高値)を以てマルii波は終了し─45,073ドル(12/4高値)とダブル・トップ形成─そこからはマルiii波による下落が始まった可能性があります。

43,879ドル(2/3安値)からのマルiii波中第ii波によるリバウンドは、44,966ドル(2/6高値)で終わったか、終わりつつあるとみられます。そうであれば、まもなく第iii波による下落が始まるでしょう。第iii波の下げ幅は、第i波の下げ幅(1175ドル)を大きく上回ることが想定されます。

上記見通しに代わるオルタナティブ・カウントは、41,844ドル(1/13安値)からを第(v)波による上昇とみなし、1月からの下落は(v)波-ii波に当たる、というものです。この場合、次は第(v)波-iii波の上昇により、最高値を更新する展開が想定されます。




[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来の上昇は、プライマリー級の第➄波とみられます。

この波動カウントによれば、第➄波は五波構成((1)~(5))です。24年8月安値15,708からの第➄-(5)波による上昇が完了すると、長期上昇トレンドが終了します。

24年7月に頭打ちとなったSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)は足元、「上昇ウェッジ」(弱気パターン)下辺からの下放れ局面に入っており、今後は一段と下落基調を強める可能性があります。遠からず、SOX指数は24年8月安値を下回るでしょう。

ナスダックはサイクル級の調整に入った可能性があります。もしもサイクル級の調整に入ったのであれば、その調整規模は大きく、期間的にも長くなることが想定されます。

一方、ここ2カ月間のもみ合い(トライアングル)が第(5)波-4波であるのなら、遠からず第(5)波-第5波による「最後の上昇」が始まるでしょう。この場合、サイクル級の調整開始は後ずれします



【時間足 エリオット波動分析】
18,831(1/13安値)からの第(5)波の第5波は、20,118(1/24高値)を以て終わった可能性があります。
第5波高値は、第3波高値(20,204)に及びませんが、これは「truncated fifth wave(短縮した5波)」だった、とみるのが適当でしょう。

この波動カウントが正しければ、次は第(ⅲ)波による急落となるでしょう。19,415(2/12安値)を下抜くと弱気トリガー。第(iii)波は18,831を明確に下抜くことが予想されます

(オルタナティブ・カウント)
24年12月高値からの保ち合いは「トライアングル」であり、それは第4波とカウントされます。20,118を上抜くと、19,415(2/12安値)を起点とする、第5波の上昇に入ったとみることができます(2月14日には一時20,045まで上昇しており、目先でクリティカルな局面を迎えています)。
第5波に入った場合、ナスダックは[20,459]を試す可能性があります
[20,459]…24年8月からの第(5)波(インターミディエイト級)の長さが、第(3)の長さの0.618倍になる水準


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。なお24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(➀)が強いサポートになるでしょう。
➀の水準は135.910円(2月)に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は116.280円(2月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。月足分析で記したB波[トライアングル]仮説によれば、C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)になります。

158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中、とみられます。
そうであればドル/円は、おそらく今後数カ月内に、24年9月の139.565円を下抜くことが予想されます。その際は以下がⓒ波ターゲットとして注目できます。

[138.517円]…ⓐ波とⓒ波が等しく下がる水準
[136.452円]…24年7月から9月までドル/円下落幅と、今年1月からのドル/円下落幅が等しい

【日足 エリオット波動分析】 
ドル/円の一目均衡表(示さず)の「三役陰転」が、強いドル/円売りシグナルを発しています。
158.825円(1/10)以来、ⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

2月12日に一時154.749円まで反発しましたが、想定レンジ(149円~155円)上限近くで跳ね返されました。次はレンジ下限(149円)を試すでしょう。さらに148.621円(12/3)を下抜くと、[146.922円] (9月からのドル/円上昇の61.8%戻り)試しが視野に入ります。

金利差からのドル/円推計値
日本国債10年物(JGB10年)は一時1.375%(15年ぶり高水準)へ上昇しました(2/17)。引き続き1.515%-1.615%へ上昇する可能性があります。今後も日米金利差の縮小が想定されます

足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[147.151円]です。

投機筋の円買い持ち高は2週連続増加(2025年2月11日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の15.5億ドルから44.8億ドルへ増えました。円買い持ち高の増加は2週連続です。




[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
110.176(1/13高値)を以て24年9月からのB波-ⓒ波は終わり、C波によるドル安トレンドが始まった、とみられます。

109.881(2/3高値)からマルiii波によるドル安が進行中です。2月14日にはマルi波安値(106.969)を下抜き、一時106.566と2カ月ぶりドル安となりました。ドル指数は短期的にも、次に示す水準を目指すでしょう。

[106.349]…B波-ⓒ波の38.2%押し
[105.420]…24年12月6日安値

22年9月~23年7月のA波において、ドルは10カ月で13.2%減価しました。このA波の期間と下落率は、C波を考える上で参考になるでしょう。

筆者はドル指数が今年中に、23年安値[99.578]を大きく下回る可能性をみています。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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