豪ドル:豪中銀は利下げへ!?
2025/02/18 08:58
【ポイント】
・RBA(豪中銀)の声明や総裁会見で追加利下げ観測が市場で強まるか
・ウクライナ停戦に向けた米国とロシアの高官協議で進展がみられるか
・カナダCPIで市場のBOC(カナダ中銀)金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
17日、欧米時間の外為市場では、円が堅調に推移。一時、米ドル/円は151.323円、ユーロ/円は158.516円、豪ドル/円は96.161円、NZドル/円は86.735円へと下落しました。日本の24年10-12月期GDP(国内総生産)速報値が前期比年率換算2.8%と、市場予想の1.1%を上回り、このことが引き続き円の支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
本日、RBA(豪中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間12時30分に発表され、同13時30分からブロックRBA総裁が会見します。
RBAは23年11月に利上げを実施した後、前回24年12月まで9会合連続で政策金利を4.35%に据え置きました。
豪州の24年10-12月期CPI(消費者物価指数)は、総合指数が前年比2.4%、トリム平均値が同3.2%でした。上昇率はいずれも7-9月期(2.8%と3.5%)から鈍化し、RBAの24年11月時点の見通し(2.6%と3.4%)を下振れました。
市場では、本日の会合で0.25%の利下げが行われると予想されています。その通りの結果になれば、RBAの声明やブロック総裁の会見が材料になりそうです。
声明や総裁会見では、豪州の経済や物価についてどのような認識が示されるか、金融政策の先行きについてどのようなヒントが示されるかに注目です。
前回会合の声明では「基調的なインフレ率は依然として高過ぎる」、「インフレに対する上振れリスクは一部緩和したもよう」、「総需要の水準は依然として経済の供給能力を上回っているようだが、そのギャップは縮小し続けている」、「インフレ率が目標レンジに向かって持続的に推移しているという、ある程度の確信を得つつある」などとされました。
RBAは5月に追加利下げを行うとの観測があります(次回3月31日-4月1日の会合については、政策金利の据え置きを予想)。声明や総裁会見の内容を受けて追加利下げ観測が市場で強まる場合、豪ドルが軟調に推移して、豪ドル/円や豪ドル/NZドルは下値を試す展開になりそうです。
※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[本日、注目のRBA会合&ブロック総裁会見!豪ドル/NZドルの動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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ウクライナ戦争の停戦に向けた米国とロシアの高官協議が18日にサウジアラビアのリヤドで行われます。米国側からはルビオ国務長官やウォルツ大統領補佐官(安全保障担当)らが、ロシア側からはラブロフ外相とウシャコフ大統領補佐官(外交政策担当)が協議に参加する予定です。協議に進展がみられた場合、リスクオフ(リスク回避)が後退するとともに、ユーロ/円やNZドル/円などのクロス円が堅調に推移する可能性があります。
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カナダの1月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間22:30)。この結果にカナダドルが反応する可能性があります。
CPIの市場予想は総合指数が前年比1.9%と、上昇率は前月の1.8%から高まるものの、BOCのインフレ目標レンジ(1~3%)の中間値である2%は引き続き下回るとみられています。また、BOCはコアインフレ指標としてCPIのトリム値と中央値を注視しており、これらの結果にも注目です。市場予想はトリム値が前年比2.6%、中央値が同2.5%と、上昇率はいずれも前月(2.5%と2.4%)から高まるとみられています。
BOC(カナダ中銀)の次回政策会合は3月12日です。次回会合について市場では、 “0.25%の利下げが行われる”と“政策金利は据え置かれる”とで見方が分かれています。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む次回会合の両者の確率は、ほぼ五分五分です。
CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOCの利下げ観測が後退すると考えられます。その場合、カナダドルにとってプラスになりそうです。米ドル/カナダドルは軟調に推移する可能性があります。
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