日本の長期金利はどうなる??
2025/02/18 08:02
【ポイント】
・日本の長期金利は独自材料でジリジリ上昇中
・政策金利1%なら長期金利2%も?
・日本の長期金利が上昇すれば、米ドル/円の重石に!?
これまで、米ドル/円と日米長期金利(10年物国債利回り)差の相関が高いことは何度も指摘してきました。また、日本の長期金利は米長期金利ほど大きく動かず、さらには米長期金利に引っ張られることが多いため、米ドル/円は(日本の長期金利に関係なく)米長期金利とも相関が高いことが分かっています。
ただ、足もとで日本の長期金利は独自の材料で動く傾向が強まっており、米ドル/円と逆相関の関係になっています(※)。今後、日本の長期金利が一段と上昇すれば、米ドル/円に下落圧力が加わりやすくなりそうです。
※24年1年間の米ドル/円と日本の長期金利との相関係数(日足)は0.63と正の相関でした。日本の長期金利が上昇(低下)すれば、米ドル/円も上昇(下落)するという関係。これは、日本の長期金利が上昇する場面では、米長期金利がそれ以上に上昇して、日米金利差(日<米)が拡大したためと考えられます。
しかし、25年に入ると(2月17日まで)、米ドル/円と日本の長期金利との相関係数は-0.45と逆相関になっています。つまり、日本の長期金利が上昇(低下)すれば、米ドル/円は下落(上昇)するという関係です。
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日本の長期金利はジリジリと上昇しており、17日には1.395%と、約15年ぶりの高水準をつけました。直接的には日本の昨年10-12月期GDPが前期比年率2.8%と、市場予想(1.1%)を大きく上回ったことが主因でした。ただ、日本のCPIが日銀の重視する生鮮食品を除くコアで、22年春から2.0%を上回って推移するなど、「物価目標を持続的・安定的に達成していないので、金融緩和を続ける」との日銀のロジックが通用しにくくなっていることが背景でしょう。
市場では日銀の利上げ観測が高まっています。17日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は早ければ今年6月に、9月までには確実に0.25%利上げを織り込んでおり、25年中の追加利上げも五分五分の確率だとみています。6日の講演後の会見で、タカ派の田村日銀審議委員は、現在0.50%程度の政策金利を25年度後半(25年10月~26年3月)には少なくとも1%程度まで引き上げることが必要との見解を示しました。
日本の長短金利差は現在1%弱。日銀が13年4月に異次元の緩和に踏み切って大量の国債を購入するようになってから、長期金利は大きく低下して長短金利差も縮小しました。それ以前の長短金利差は平均1%程度でした(13年3月までの10年間の平均は1.15%)。

日銀は現在、保有国債を減らす量的引き締め(QT)を始めています。1%程度の長短金利差が維持されるなら、長期金利は1%台後半から2%台に上昇しても不思議ではないでしょう。その過程で米長期金利がそれほど上昇しない、あるいは低下するのであれば、日米長期金利差が縮小して米ドル/円の重石になるかもしれません。
・日本の長期金利は独自材料でジリジリ上昇中
・政策金利1%なら長期金利2%も?
・日本の長期金利が上昇すれば、米ドル/円の重石に!?
これまで、米ドル/円と日米長期金利(10年物国債利回り)差の相関が高いことは何度も指摘してきました。また、日本の長期金利は米長期金利ほど大きく動かず、さらには米長期金利に引っ張られることが多いため、米ドル/円は(日本の長期金利に関係なく)米長期金利とも相関が高いことが分かっています。
ただ、足もとで日本の長期金利は独自の材料で動く傾向が強まっており、米ドル/円と逆相関の関係になっています(※)。今後、日本の長期金利が一段と上昇すれば、米ドル/円に下落圧力が加わりやすくなりそうです。
※24年1年間の米ドル/円と日本の長期金利との相関係数(日足)は0.63と正の相関でした。日本の長期金利が上昇(低下)すれば、米ドル/円も上昇(下落)するという関係。これは、日本の長期金利が上昇する場面では、米長期金利がそれ以上に上昇して、日米金利差(日<米)が拡大したためと考えられます。
しかし、25年に入ると(2月17日まで)、米ドル/円と日本の長期金利との相関係数は-0.45と逆相関になっています。つまり、日本の長期金利が上昇(低下)すれば、米ドル/円は下落(上昇)するという関係です。
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日本の長期金利はジリジリと上昇しており、17日には1.395%と、約15年ぶりの高水準をつけました。直接的には日本の昨年10-12月期GDPが前期比年率2.8%と、市場予想(1.1%)を大きく上回ったことが主因でした。ただ、日本のCPIが日銀の重視する生鮮食品を除くコアで、22年春から2.0%を上回って推移するなど、「物価目標を持続的・安定的に達成していないので、金融緩和を続ける」との日銀のロジックが通用しにくくなっていることが背景でしょう。
市場では日銀の利上げ観測が高まっています。17日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は早ければ今年6月に、9月までには確実に0.25%利上げを織り込んでおり、25年中の追加利上げも五分五分の確率だとみています。6日の講演後の会見で、タカ派の田村日銀審議委員は、現在0.50%程度の政策金利を25年度後半(25年10月~26年3月)には少なくとも1%程度まで引き上げることが必要との見解を示しました。
日本の長短金利差は現在1%弱。日銀が13年4月に異次元の緩和に踏み切って大量の国債を購入するようになってから、長期金利は大きく低下して長短金利差も縮小しました。それ以前の長短金利差は平均1%程度でした(13年3月までの10年間の平均は1.15%)。

日銀は現在、保有国債を減らす量的引き締め(QT)を始めています。1%程度の長短金利差が維持されるなら、長期金利は1%台後半から2%台に上昇しても不思議ではないでしょう。その過程で米長期金利がそれほど上昇しない、あるいは低下するのであれば、日米長期金利差が縮小して米ドル/円の重石になるかもしれません。
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