中銀会合に英ポンドやメキシコペソが反応しそう
2025/02/06 09:13
【ポイント】
・英中銀は0.25%利下げしそう。総裁会見などで追加利下げ観測が強まるか
・メキシコ中銀はどの程度利下げするか、声明で追加利下げが示唆されるか
(欧米市場レビュー)
5日、欧米時間の外為市場では、円が堅調。米ドル/円は一時152.107円へと下落し、24年12月12日以来およそ2カ月ぶりの安値を記録。ユーロ/円は158.490円、豪ドル/円は95.684円、NZドル/円は86.544円へと下落する場面がありました。東京時間に発表された日本の24年12月の毎月勤労統計の結果を受けて日銀の追加利上げが早まるとの観測が市場で高まり、このことが円の支援材料となりました。
毎月勤労統計では、1人当たりの現金給与総額が前年比4.8%と前月の3.9%から上昇率が加速し、所定内給与は同2.7%と32年1カ月ぶりの高い伸びを記録しました。また、物価の変動を反映した実質賃金は前年比0.6%と2カ月連続でプラスとなりました。
(本日の相場見通し)
本日、日銀の田村審議委員が長野県金融経済懇談会に出席します。田村委員は午前10時30分からの懇談会で挨拶し、午後2時から会見する予定です。
田村委員は前々回24年12月の金融政策決定会合でただ一人利上げすることを提案し、政策金利を据え置くとの決定に反対しました。9人の政策メンバーの中で最もタカ派とされます。
田村委員の発言によって日銀の追加利上げ観測が一段と強まる場合、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)が軟調に推移する可能性があります。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、一時200日MA割れが示現!もう一段の下値追いとなるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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BOE(英中銀)とBOM(メキシコ中銀)の政策会合が本日開かれます。それぞれの会合結果に英ポンドやメキシコペソが反応しそうです。
<BOE>会合の結果は日本時間午後9時に発表、午後9時30分からベイリー総裁が会見
BOEは24年8月と11月に0.25%の利下げを行いました(前回12月の会合は政策金利を据え置き)。
市場では、本日の会合で0.25%の利下げが行われると予想されています。その通りの結果になれば、会合の議事録や金融政策報告、ベイリー総裁の会見が材料になりそうです。
BOEは5月の会合で追加利下げを行うとの観測が市場にはあります(次回3月の会合は政策金利の据え置きを予想)。ベイリー総裁の会見などが追加利下げ観測を強める内容になれば、英ポンドが軟調に推移して、ユーロ/英ポンドは上値を試す展開になりそうです。
<BOM>会合の結果は日本時間7日午前4時に発表
BOMは24年3月以降、5回の利下げを行いました(直近の4会合は全て利下げを実施)。
メキシコの24年12月CPI(消費者物価指数)は前年比4.21%と、21年2月以来の低い伸びを記録。また、24年10-12月期のGDP(国内総生産)速報値は前期比マイナス0.6%と、21年7-9月期以来およそ3年ぶりのマイナス成長となりました。
インフレの鈍化や景気減速を受け、市場では本日の会合で利下げが行われることが確実視されており、利下げ幅については過去5回の0.25%から拡大されて0.50%になるとの見方が有力です(一部に0.25%との見方もあり)。
BOMの声明も材料になりそうです。声明における注目点は、先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるかです。前回24年12月会合の声明では、「政策金利のさらなる調整(追加利下げ)が可能になると予想している」とされました。
本日の会合で利下げ幅が0.25%にとどまる、あるいは0.50%の利下げが行われたとしても、声明で今後の利下げ幅縮小や利下げ見送りもあり得ることが示唆されれば、メキシコペソは堅調に推移しそうです。
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