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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※1月31日更新

2025/01/31 10:44

宮田レポート/250131_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~42,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 38,000~45,500ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~20,260

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~158.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~110.895



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
2025年に日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇によって最高値を更新するでしょう。そのターゲットは[4万3000円-4万5000円]です※。

この第(5)波上昇を以て、コロナショック底以来5年間にわたる強気相場(プライマリー第➂波)は完成し(『黄金の3年間』完結)、その後はプライマリー第➃波による停滞局面に移るでしょう。

なお24年7月以来のインターミディエイト級第(4)波の調整は続いているとみられます。
この見方によると、第(5)波上昇が始まる前に、日経平均は一度大きく下押すことになります。

※2025年の日経平均予想レンジは[3万5000円-4万5000円]です。

[予想PER別の日経平均水準]

1月30日時点の日経平均予想EPSは2461円。昨年10月5日に付けた過去最高値2514円を抜くか、引き続き注目されます。


【時間足 エリオット波動分析】
40,398円(12/27高値)から第(4)波中C波による下落局面が進行中とみられます。C波は24年8月以来約5カ月にわたる上昇ウェッジから下放れ後、24年8月底に次ぐ二番底を付けにいく波です。

第(4)波のパターンは「シンメトリカル・トライアングル」をイメージしています。
この見方通りなら、(4)-C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)となります。38,055円(1/17安値)からのC-ⓑ波によるリバウンドは40,279円(1/24高値)を以て終わり、C-ⓒ波による下落が始まった可能性があります。この可能性は、38,886円を割れることにより高められます。
すると今後数週間タームで日経平均は、24年10月からのレンジ相場下限(37,650~37,800円)を試す展開になりそうです。さらに今後数カ月内では、24年9月安値の35,247円を一時的にも下回る可能性があります。
一方、38,886円を維持しながら、ⓑ波それ自体も保ち合い相場になれば、横ばい期間はさらに長くなるでしょう。

なお40,398円を上抜くと、短期的な弱気見通しが否定され、38,055円からは第(5)波中3波による上昇という見方を採用するべきかもしれません。


[NYダウ] 

【日足 エリオット波動分析】 
NYダウは、22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波を45,073ドル(12/4高値)で完成し、(C)波の下落局面に突入した可能性が高い、とみています。それは先々、22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう。

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、あるいはより大きな下落スケールになると思われます。

今後数カ月内の下値ターゲットとして注目される水準は、24年4月安値(37,611ドル)です。これは[エンディング・ダイアゴナル]開始点の水準のことで、この時点におけるNYダウの高値からの下げ率は16.5%です。

一方、上昇継続の場合は、41,844ドル(1/13安値)からを第(ⅴ)波による上昇とカウントします。

S&P500の長期チャートをみると、1929年と2000年の大天井を通る長期レジスタンスラインが今月は[6161]に位置していますが、1月24日の史上最高値(6128)はそれに近いものでした。

さらに、S&P500の日足チャートに出現した「三空」と「アイランド・リバーサル」は、重要なピークアウトの暗示とみられます。

一方、5962(1/27安値)を第(ⅴ)波中第ⅱ波底とみれば、足元の上昇は、第(v)波中第ⅲ波の上昇に位置付けられます。この場合は、[6145]~[6161]を打診する展開となりそうです。

[6145]…22年1月~10月の下げ幅に対し倍返し水準のこと

【時間足 エリオット波動分析】 
42,146ドル(12/20安値)からのマルii波「エクスパンディッド・フラット」は終了しつつあり、この見方が正しければ、近々マルiii波による下落開始が想定されます。

ひとたびマルiii波が始まれば、その下げ幅と下げ率は、マルi波(上記)を凌駕する大きなものになるでしょう。

その一方、S&P500の最高値更新に遅れて、NYダウも高値を更新する展開があるかもしれません。
その場合は、41,844ドル(1/13安値)からを第(v)波による上昇とカウントし直します。


[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来の上昇は、プライマリー級の第➄波とみられます。

この波動カウントによれば、第➄波は五波構成((1)~(5))です。24年8月安値15,708からの第➄-(5)波による上昇が完了すると、長期上昇トレンドが終了します。

実際、ナスダックは長期的な天井を付けた可能性があります。

SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)は24年7月に頭打ちしました。8月上旬までの急落後は、直近までじり高局面が続いていましたが、それもどうやら終わったようです。

足元、SOX指数は「上昇ウェッジ」(弱気パターン)の下辺を割り込んでおり、それを契機に、ここから下落基調を強める可能性があります。この見方が正しければ、遠からずSOX指数は24年8月安値を下回るでしょう

ナスダックはサイクル級の調整に入った可能性があります。もしもサイクル級の調整に入ったのであれば、その調整規模は大きく、期間的にも長くなることが想定されます。



【時間足 エリオット波動分析】
18,831(1/13安値)からの第(5)波の第5波は、20,118(1/24高値)を以て終わった可能性があります。
第5波高値は、第3波高値(20,204)に及びませんが、これは「truncated fifth wave(短縮した5波)」だった、とみるのが適当でしょう。

短期的には18,831が強弱感の分岐です。
18,831を維持する限りは、まだナスダックの第5波は続いている、とみることが可能です。
その反面18,831を割り込むと、それはサイクル級の調整に入ったことを支持するものといえるでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。なお24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。
➀の水準は135.910円(2月)に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は116.280円(2月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。月足分析で示した、B波[トライアングル]仮説によれば、C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)になります。

そして158.825円(1/10)からは、ⓒ波によるドル安・円高に入った可能性が高い、とみています。そうであればドル/円は、おそらく今後数カ月内に、24年9月の139.565円を下抜くことが予想されます。その際は以下がⓒ波ターゲットとして注目できます。

[138.517円]…ⓐ波とⓒ波が等しく下がる水準
[136.452円]…24年7月から9月までドル/円下落幅と、今年1月からのドル/円下落幅が等しい

【日足 エリオット波動分析】 
139.565円(9/16)からのⓑ波-(c)波によるリバウンドは158.825円(1/10)を以て終了し、ⓒ波によるドル安・円高が始まった可能性があります。

1月30日には153.800円を一時的に下回りました。短期的にもドル/円は、200日MA[152.830円処]を試すと思われます。その辺りで下げ一服となるか、さらに下振れの動きとなるかが注目されます。

200日MA割れの場合、次の節目は[151.467円]。これは9月からのドル/円上昇に対する38.2%戻り水準です。

金利差からのドル/円推計値
日本国債10年物(JGB10年)は、遠からず1.300%を試し、さらには1.515%-1.615%へ一段と上昇する可能性があります。この見方通りなら、米長期金利がさらに上昇しても日米金利差は広がらず、おのずとドル/円の上値も限られましょう。
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[149.222円]です。

投機筋の円売り持ち高が3週ぶりに減少(2025年1月21日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)による円売り持ち高は3週ぶりに減少。前週の23.5億ドル(これは2カ月ぶり売り持ち高でした)から11.8億ドルとほぼ半分になりました。


[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
110.176(1/13高値)を以て24年9月からのB波-ⓒ波は終わり、C波によるドル安トレンドが始まった可能性が高い、とみられます。

そうであればドル指数は、短期的なリバウンドを挟みながらも、中期タームでは下落していくでしょう。
22年9月~23年7月のA波において、ドルは10カ月で13.2%減価しました。このA波の期間と下落率は、C波を考える上で参考になるでしょう。

筆者はドル指数が今年中に、23年安値[99.578]を大きく下回る可能性をみています。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。


宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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