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【株価指数】トランプ大統領就任後に株価上昇、不穏な動きも

2025/01/27 07:40

【ポイント】
・主要株価指数は総じて好調。S&P500 は最高値を更新
・AI関連投資を発表したメタなど大型ハイテク株がけん引
・トランプ大統領が不法移民受け入れを拒否したコロンビアに関税発動へ

(先週のレビュー)

主要株価指数は総じて堅調でした。日経平均は約2週間ぶりに一時4万円を超えました。S&P500は23日まで4営業日連続で最高値を更新、NYダウナスダック100は最高値に接近しました。前週に大幅上昇したFTSE100小幅に最高値を更新した後に、週末に下落してほぼ「往って来い」の展開でした。

20日に米トランプ大統領が就任。関税引き上げを巡る報道や大統領の発言が市場を振り回す場面もありました。ただ、トランプ大統領がソフトバンクやオープンAI、オラクルが主導するAIインフラへの大型投資を発表したことで、大型ハイテク株を中心に株式市場の地合いは良好でした。24日にはメタ・プラットフォームズが25年に最大650億ドルのAI関連投資を行う計画を発表しました。

23日には世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)でトランプ大統領がオンライン演説を行いました。そのなかで、OPECに対する原油価格の引き下げやFRBに対する利下げを求めたことも、株価にはプラス材料となったようです。

24日には日銀が0.25%利上げして政策金利を0.50%としました。同時に発表された「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では24-25年度の物価見通しが上方修正されました。ただ、大きなサプライズはなく、市場の反応は限定的でした。市場では年内に追加利上げがあるとの見方が引き続き有力です。


(今週の相場材料)

先週の良好な地合いが継続するか。シカゴの日経平均先物は24日の東証取引終了後に上昇しており、27日の日経平均は上昇して始まりそう。今週の相場材料は、企業の決算発表、FOMCなどの政策会合、トランプ大統領の言動などでしょう。

米国では29日から大型ハイテク株、いわゆるマグニフィセント・セブンの決算発表が始まります。29日にマイクロソフトメタ(フェースブック)テスラ、30日にアップルアルファベット(グーグル)アマゾン・ドット・コムは翌週、エヌビディアは2月26日です。大型ハイテク株は良好な決算が予想されますが、利益の伸びが高い期待に沿うかどうか、不透明な面もありそうです。

日本でも27日ファナック、29日信越化学工業アドバンテストなどの決算発表があります。

28-29日開催の米FOMCでは政策金利の据え置きが決定されそうです(結果判明は日本時間30日午前4時。4時30分からパウエル議長の記者会見)。米景気は個人消費を中心に底堅く推移している模様。その一方で、インフレ率は低下してきたものの、足もとではそのペースが鈍っており、利下げを急ぐべき状況ではなさそうです。

OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は5月FOMCまでの利下げ確率を5割強、6月までの利下げ確率をほぼ10割織り込んでいます。今週のFOMCの結果や議長発言によって見通しがどう変化するか要注目でしょう。

30日にECB(欧州中央銀行)理事会があり、利下げがほぼ確実視されています。

トランプ大統領が公式に、あるいはSNSなどを通じて非公式に発言して市場を振り回す可能性があります。とりわけ、2月1日の発動を検討するとした関税に関して何か動きがあるかもしれません。米東部時間の夜(=日本時間翌日午前中)や週末も油断は禁物でしょう(※)。

※トランプ大統領は26日、米国が強制送還した不法移民の受け入れを拒否したとして、コロンビアに25%の関税を課すと発表。1週間以内にさらに50%に引き上げるとしています。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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